福祉自動車

当記事では、福祉タクシー事業者が使用する自動車について詳細解説致します。

福祉タクシー事業者が使用する自動車の詳細は、次の通達の中に規定されています。

上記通達は非常に読みづらく分かりづらいかと思いますので、当記事でわかりやすく解説していきます。

福祉輸送自動車とは

福祉タクシー事業者が行うサービスを福祉輸送サービスと言います。

そして、この福祉輸送サービスを行うために使用する自動車を「福祉輸送自動車」と呼びます。

福祉輸送自動車は、次の2つに分類されています。

  1. 福祉自動車
  2. 福祉自動車以外のセダン型等の自動車

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①福祉自動車

福祉自動車の定義は、 道路運送法施行規則に規定されています。

実際の条文も見てみましょう。

道路運送法施行規則第51条の3第1項第8号

福祉自動車(第四十九条第三号イからニまでに掲げる者移動のための車いすその他の用具を使用したまま車内に乗り込むことを可能とする乗降補助装置その他の装置を有する自動車をいう。以下同じ。)以外の自動車を使用して福祉有償運送を行おうとする者にあつては、自家用有償旅客運送自動車の運転者その他の乗務員が第五十一条の十六第三項に規定する要件を備えていることを証する書類

緑色の文字以外は読まなくても構いません。

第四十九条第三号イからニまでに掲げる者とは、身体障害者、要介護・要支援者、その他肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害その他の障害を有する者です。

つまり、福祉自動車とは、身体障害者等が移動のための車いす、その他の用具を使用したまま車内に乗り込むことを可能とする自動車で、乗降補助装置やその他の装置が付いている自動車ということになります。

具体的には、次の2つの機能を備えた自動車です。

  1. 車いすやストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車
  2. 回転シート、リフトアップシート等の乗降を容易にするための装置を設けた自動車

文字だけですとイメージが湧きづらいかと思いますので、実際の福祉自動車を確認してみましょう。

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会のページが参考になります。

福祉タクシー等の種類:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会

なお、この福祉自動車に乗務する者は、次のいずれかの要件を満たすよう努力しなければならないとされています。

  • 社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了していること
  • 財団法人全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修を修了していること
  • 介護福祉士の資格を有していること
  • 訪問介護員の資格を有していること
  • サービス介助士の資格を有していること

※社団法人全国乗用自動車連合会は公益法人制度改革に伴い、現在は一般社団法人に移行されています。正式名称は一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会です。

※財団法人全国福祉輸送サービス協会は公益法人制度改革に伴い、現在は一般財団法人に移行されています。正式名称は一般財団法人全国福祉輸送サービス協会です。

②福祉自動車以外のセダン型等の自動車

ここまで見てきた福祉自動車を使わずに、セダン型等の一般車両を使うこともできるのですが、この場合、乗務員は次のいずれかの要件を満たす者でなければなりません。

    • 社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了していること
    • 介護福祉士の資格を有していること
    • 訪問介護員の資格を有していること
    • 居宅介護従業者の資格を有していること

福祉輸送自動車に行う表示について

輸送に使用する事業用自動車には、次の表示を行うこととされています。

  1. 事業者の氏名、名称又は記号
  2. 「福祉輸送車両」及び「限定」の文字

上記①と②の文字は、大きさ縦横50ミリメートル以上の横書きとし、ステッカー、マグネットシート又はペンキ等により、事業用自動車の側面両側に外部より見やすいように表示しなければなりません。

まとめ

福祉タクシー事業者が使用しなければならない福祉輸送自動車は2種類あるということをご理解頂けたかと思います。

福祉自動車を利用する場合とそうでない場合で乗務員に係る要件が異なっていますので、福祉タクシーの許可申請前の時点で、どの研修を受けなければならないのかなどを事前に確認しておくと良いでしょう。