一般財団法人に関するQ&A ~専門家がわかりやすく解説~

一般社団法人とはQ&A

一般財団法人とは、どのような法人ですか?わかりやすく教えてください。

簡単に言うと寄付された「財産」を元に活動する法人です。

財団法人と聞いてもピンとこないかもしれませんが、「美術館」を想像すると分かりやすいかもしれません。

美術館は財団法人であることが多く、個人や法人から寄付された美術品(財産)を所蔵したり、展示公開したり、美術品の普及などを目的として活動しており、美術館への入館料など、その財産から生じる利益で事業を行っています。

自分が持っている財産を世の中のために使ってほしい、社会貢献のために役立ててほしいといった場合に、一般財団法人へ財産を寄付(拠出)することで、財産の運用を法人に任せることができます。

一般財団法人は、公益性がなくても一定の財産があれば誰でも設立することができます。

美術館や博物館のほか、奨学金支給、環境事業、緑化事業等を行っている一般財団法人も多いようです。

拠出する財産はいくらでもいいのでしょうか?

A財産の合計額が300万円以上であることが必要です。

金銭や物品を出し合うことを「拠出する」と言いますが、一般財団法人に拠出する財産は300万円以上あることが必要です。

もし一人で設立するのであれば、一人で300万円以上、二人以上いる場合は合計金額で300万円以上あれば構いません。

財産が動産や不動産であればその価額が300万円以上であることが必要です。

拠出された財産そのものに法人格が与えらるのが財団法人です。

一般財団法人の設立者とは?わかりやすく教えてください。

A財産を寄付(拠出)して法人を設立する人を設立者といいます。

設立者は個人は法人でも構いません。

この設立者が一般財団法人の定款を作成したり、法人化に関する様々な事柄を決定したりしていきます。例えば、法人の名称や目的、所在場所を決めたり、設立時の理事や監事、評議員を決めたりします。

一般財団法人設立後は、設立者は法人の運営には直接かかわりません。

あくまでも財産を拠出する人ということになります。

一般財団法人は何名で設立できますか?

A設立者は1人以上で構いませんが、理事3人、監事1人、評議員3人以上が必要です。

各役職は兼ねることができませんので、最低8人以上が必要です(設立者が理事や監事を兼ねるのであれば最低7人以上必要です)。

また、必ず「理事会」と「評議員会」を設置しなければなりませんので、下記のような機関構成になります。

  • 設立者1人以上
  • 理事会:理事3人以上+監事1人以上
  • 評議員会:評議員3人以上

一般財団法人設立手続きの流れを教えてください。

下記のような流れで設立します。

  1. 設立者が定款を作成する
  2. 設立者が公証役場で定款の認証を受ける
  3. 設立者が拠出する財産を履行する
  4. 設立者が設立時評議員、理事、監事を選任する(定款で定めていない場合)
  5. 設立時理事、監事が設立手続の調査をする
  6. 設立時代表理事が法務局へ設立登記申請をする

*参考ページ:一般財団法人設立の流れ

一般財団法人の設立手続きは素人の私でもできますか?

はい、できます。

ただ、一般社団法人に比べると設立の難易度は高いとお考えください。

設立時資金も必要であり、人数も最低でも7名必要です。

一般社団法人は財産の拠出は必要ありませんし、最低2名いれば設立が可能です。

また、インターネット上の情報も一般社団法人についてはたくさん掲載されていますが、一般財団法人はまだまだ少ないのが現状です。

一般社団法人よりも動かす金額が大きく登場人物も多くなりますので、手続きは慎重に行わなければなりません。

とはいえ、ご自身で設立できないことは決してありません。

ある程度の知識を仕入れて、管轄の公証役場、法務局に何度か足を運ぶ時間があれば、十分に設立は可能です。

必要書類については一般社団法人と比較して書類も多くなりますので、予算に少し余裕があるようでしたら、こちらのDIY書式集の活用もご検討頂ければと思います。

*ご案内ページ:自分で出来る!一般財団法人設立キット【29,800円】

ご自身で設立手続きをされる方のための書式集となっております。

*参考ページ:一般財団法人設立の必要書類

役員等には任期はありますか?

理事、監事、評議員、会計監査人ともに任期があります。

理事の任期は原則2年、監事、評議員の任期は原則4年、会計監査人の任期は1年です(※)。

定款の定めにより理事・監事は任期を短縮することができ、評議員は任期を伸長することができます。

  • 理事:原則2年→定款で短縮可
  • 監事:原則4年→定款で2年まで短縮可
  • 評議員:原則4年→定款で6年まで伸長可

(※)正確には選任後1年、2年または4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会が終結する時までです。

それぞれ任期が満了すると退任することになりますので、同じ人が再任する場合でも法務局へ役員変更の登記手続きを行う必要があります。

ただし、会計監査人は任期が満了する年度の定時評議員会において別段の決議がなされなかったときは、当該定時評議員会において再任されたものとみなされます。