事故

当記事では、福祉(介護)タクシー事業者が事故を起こしてしまった場合のルールについて解説いたします。

福祉(介護)タクシー事業者は、道路運送法上の一般旅客自動車運送事業のうち、「一般乗用旅客自動車運送事業」に分類されています。

事故を起こしてしまった場合のルール、行わなければならない報告等については、道路運送法や旅客自動車運送事業運輸規則に規定があります。

それでは、さっそく見ていきましょう。

事故の報告について

道路運送法には、福祉(介護)タクシー事業者が事故を起こした場合の報告についての規定が設けられています。

(事故の報告)
第二十九条 一般旅客自動車運送事業者は、その事業用自動車が転覆し、火災を起こし、その他国土交通省令で定める重大な事故を引き起こしたときは、遅滞なく事故の種類、原因その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

福祉(介護)タクシー事業者が使用している事業用自動車が、

  • 転覆
  • 火災
  • その他国土交通省令で定める重大な事故

上記の事故等を起こしたときは、その事故の種類や原因等を国土交通大事に遅滞なく届け出なければならないとされています。

事故を起こしてしまった場合、その場で即警察に連絡するとともに、警察とは別に国土交通大臣にもその旨の届出が必要です。

自動車事故報告規則とは

事故と一口に言っても、軽度な事故から重大な事故まで規模は様々です。

事故の定義や、届け出の方法などは「自動車事故報告規則」というものに詳細に規定されています。

当解説ページで全てを網羅・解説するのは難しいので、参考までに自動車事故報告規則と届け出を行うための「様式」を掲載しておきます。

自動車事故報告規則

別記様式(第3条関係)自動車事故報告書

なお、この自動車事故報告規則は、法令試験の出題範囲です。ここでしっかりと勉強をしておくことで、試験勉強にもなりますので、これから福祉(介護)タクシー事業の許可取得をお考えの方は、目を通しておくと良いかと思います。

福祉(介護)タクシーの許可取得と法令試験について

いつまでに報告が必要か

福祉(介護)タクシー事業者は、自動車事故報告規則に定める事故があった場合、30日以内に自動車事故報告書を国土交通大臣に提出します。また、特に重大な事故が発生した場合には、24時間以内できる限り速やかに、運輸監理部長又は運輸支局長に速報しなければならないとされています。

事故が起きた場合の処置について

事故を起こした場合に福祉(介護)タクシー事業者が行うべき処置について見てみましょう。

(事故の場合の処置)
第十八条 旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運行を中断したときは、当該自動車に乗車している旅客のために、次の各号に掲げる事項に関して適切な処置をしなければならない。
一 旅客の運送を継続すること。
二 旅客を出発地まで送還すること。
三 前各号に掲げるもののほか、旅客を保護すること。

旅客の運送中に事故を起こした場合、福祉(介護)タクシー事業者は、運送の継続、旅客を出発地まで送り届けること、その他旅客の保護を行わなければなりません。

旅客が死亡又は負傷したとき

旅客の運送中の事故等により、旅客が死亡や負傷をしてしまった場合に福祉(介護)タクシー事業者が行わなければならない事項は次の通りです。

(事故による死傷者に関する処置)
第十九条 旅客自動車運送事業者は、天災その他の事故により、旅客が死亡し、又は負傷したときは、次の各号に掲げる事項を実施しなければならない。
一 死傷者のあるときは、すみやかに応急手当その他の必要な措置を講ずること。
二 死者又は重傷者のあるときは、すみやかに、その旨を家族に通知すること。
三 遺留品を保管すること。
四 前各号に掲げるもののほか、死傷者を保護すること。

当然ですが、すみやかに旅客の応急手当等を行わなければなりません。また、旅客のご家族に事故の通知を行います。その他、遺留品の保管も行います。

まずは死傷者の保護を最優先に行いましょう。

事故の記録を行う

福祉(介護)タクシー事業者は、事故の記録を行い、その記録を三年間保管しておかなかればなりません。

(事故の記録)
第二十六条の二 旅客自動車運送事業者は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、次に掲げる事項を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において三年間保存しなければならない。
一 乗務員の氏名
二 事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
三 事故の発生日時
四 事故の発生場所
五 事故の当事者(乗務員を除く。)の氏名
六 事故の概要(損害の程度を含む。)
七 事故の原因
八 再発防止対策

記録すべき事項は次の通りです。

  1. 乗務員の氏名
  2. 事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
  3. 事故の発生日時
  4. 事故の発生場所
  5. 事故の当事者(乗務員を除く。)の氏名
  6. 事故の概要(損害の程度を含む。)
  7. 事故の原因
  8. 再発防止対策

これらの事項を、営業所において3年間保存しなければなりません。

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行政書士津田拓也プロフィール

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