軽自動車を使った軽貨物運送業は、初期投資が少なく、車1台ですぐに始められるのが魅力です。
大手の輸送会社やアマゾンフレックスなどと業務委託契約をして、軽貨物運送業を始める人が年々増えています。
では、軽貨物運送業を始めるには、どのような準備が必要になるでしょうか?
まずは黒ナンバーを取得する
まず開業するには、「黒ナンバー」の取得が必須です。
黒ナンバーを取得するには、運輸支局へ届け出の手続きが必要になりますが、実際に開業するまでには事前に準備することがいくつかあります。
ここでは、これから軽貨物のドライバーとして働くために準備しなければならないことについて紹介いたします。
黒ナンバーを取得するために必要なもの
自動車運転免許
当たり前ですが、自動車を運転するための運転免許が必要です。貨物を輸送するには二種免許は要りませんので、普通自動車第一種運転免許を持っていれば問題ありません。
軽自動車
荷物を運ぶ仕事ですので、軽トラックや軽バンなどを貨物用軽自動車を1台準備します。
新車でも中古車でもどちらでも構いません。友人から中古車を譲り受けても構いません。
もし軽の乗用車を使用したいのであれば、事前に軽自動車検査協会で構造等変更検査を受けて乗用から貨物用に用途を変更する必要があります。※令和4年10月から軽の乗用車でも黒ナンバーの取得が可能になる予定です。
営業所
営業の拠点となる場所のことです。まずは小さく自宅の一室から始める方がほとんどです。広さの指定はなく、支障なく事業が行えるスペースがあればOKです。わざわざ店舗を構えなくても問題ありません。
休憩睡眠施設
運送事業では、「休憩睡眠施設」の設置が必要です。
とはいっても一人で開業するのにわざわざ借りる必要はありません。
ドライバーが有効に利用できる施設であれば、自宅の一室を休憩睡眠施設として使用しても構いませんし、ある程度の広さが確保できるのであれば、自宅の一室を営業所と休憩睡眠施設に区切って使用しても問題ありません。
車庫(駐車場)
軽トラックや軽バンを停める車庫(駐車場)を用意します。
車庫は、原則営業所に併設するので、自宅の駐車場やアパート・マンションなどの駐車場を利用することがほとんどです。
もし営業所に併設できない場合は、営業所からの直線で2km以内に車庫を借りることができれば問題ありません。
※営業所(兼休憩睡眠施設)と車庫の住所は、「都市計画法、農地法、建築基準法等の関係法令に適合していること」が求められています。
簡単に言うと、『運送業の営業所(事務所)・車庫として使える地域であり、土地は農地ではなく、建物は違法物件ではありません。』ということです。
自賠責保険、任意保険
万が一事故を起こした場合に、損害賠償できなければなりません。
自賠責保険の加入だけでなく、一般自動車損害保険(任意保険)に加入する等、十分な損害賠償能力が求められます。
また、大手の輸送会社やアマゾンフレックスなどの多くの荷主は「任意保険」に加入していないドライバーとは業務委託契約を結ばないため、開業するには任意保険への加入が必須となります。
軽貨物のドライバーとして個人で開業しても、最初から荷主として仕事があるわけではありません。
多くの場合、他社の運送会社から仕事を請け負ったり、アマゾンフレックスなどと業務委託契約をして報酬を得ることになるでしょう。
届出の方法
すべての準備ができたら、管轄の運輸支局へ貨物軽自動車運送事業の届出手続きを行います。
※貨物軽自動車運送事業の届出については、詳細は下記ページをご覧ください。
また、個人事業主として開業するのであれば、税務署へ開業手続きを行う必要があります。
手続きとは言っても、営業所を所轄している税務署へ「個人事業の開業届出書」を提出するだけですので簡単に終わります。
開業届出書は、国税庁のホームページからダウンロードできますので、事業開始後1ヶ月以内に提出するようにしましょう。