創業融資は同業種の業務経験がなくても融資は可能?転職が多い場合は不利?

業務経験は創業融資の審査においては重要ポイントになる

日本政策金融公庫の創業融資の審査のポイントは4つです。

  1. 業務経験
  2. 自己資金
  3. 事業計画
  4. 面談

今回は①の「業務経験」について解説します。

創業融資は、開業後の融資とは異なり過去の経営実績を参考にすることができません。ですから、創業者のこれまでの職歴や職務経験が非常に重要視されます。

当記事では、創業融資を考えている方から多く頂く、業務経験が無くても創業融資は利用できるのか?について解説していきます。

業務経験が無くても創業融資は利用できるのか?

不可では無いが、審査には不利となります。

通常は、まったくの新分野での創業よりも、過去の業務経験や人脈を活かした創業の方が融資成功の可能性は高くなってしまいます。

例えば、建設業や介護事業で働いたことがないのに、建設会社を立ち上げる、介護事業所を開設するなどはちょっと無謀ですよね。。。

到底、事業がうまくいくとは思えません。

どれだけ精緻な事業計画を作成しようとも、融資の可能性はどうしても低くなります。

どのくらいの期間の業務経験を積めばよいか

同業種の業務経験は長ければ長いほど良いということになります。

最低でも、半年から1年くらいは開業する業界の業務経験を積んでおかれると良いでしょう。

とはいっても「異なる業界で経験を積むのは難しい」という方もいらっしゃると思います。

転職も難しい場合は、サラリーマンの方でしたら、関連部署に異動をさせてもらうなりをして、可能であれば間接的にでも創業予定の業務に関連する経験を積まれると良いでしょう。

将来、創業融資を活用して起業を考えている方という方は、どんな業種でもいいので、店長や主任、支店長、支配人などへの昇進のチャンスがあるのであれば、積極的にチャレンジしてください。アルバイト・正社員といった雇用形態にかかわらず、チャンスがあればどんな職種・仕事でもいいので、積極的に取り組まれるようにしてください。

管理職としての経験は、創業融資では有利に働きます。

なお、ITビジネス関連、例えば、ネットショップの運営やアフィリエイト、システム開発、WEBサイト制作などの仕事を副業として行っており、既に売上を上げている場合は、その期間は業務経験として認めてくれるケースが多いので積極的にアピールしていきましょう。

起業に役に経ちそうな仕事であればどんなことでも取り組み、出来る限り多くの経験を積んておくことで、業務経験の少なさをカバーできるケースもあります。

このように、新しい分野の創業であったとしても、少しでも自分のこれまでの経験や人脈を活かせるようなビジネスモデルに置き換えることができないかを検討することが重要になります。

新分野での創業の場合、業界の常識や商慣習にとらわれることなく、斬新なアイデアや独自のビジネスモデルが生まれる可能性もありますので、業界経験が無いからと言って起業自体を諦める必要はありません。

しかしながら、この場合は事業計画の実現可能性については判断が難しく、融資担当者にいかに納得してもらうかが鍵となります。「資金調達自体はやはり難しくなる」と言わざるを得ませんので、注意が必要です。

転職が多い場合は不利か?

転職を繰り返してきた人は敬遠されがちです。

今の時代、そんなこともないのですが、「転職を繰り返す=忍耐力がない」とステレオタイプな考えを持っている融資担当者もいるからです。

たしかに転職を繰り返しており、それがまったく別の業種であった場合、事業経験を積むことはできません。

ですから、融資担当者には転職した理由を前向きに説明できるようにしましょう。

「これまでの転職は全て今回の起業には必要であり、様々な業界・職種につくことで幅広い視野と人脈を作ることができた」とアピールできれば、転職もプラスに働くでしょう。

どんな職業でも捉え方・考え方によっては起業には役立つものです。

そのことを如何に説明できるかどうかで、マイナス審査をプラスに変えることも可能です。