成年後見制度利用支援事業・成年後見制度法人後見支援事業とは
当記事では、障害者総合支援法に規定されている「成年後見制度利用支援事業」と「成年後見制度法人後見支援事業」について解説致します。
この2つの支援は、市町村が行うこととされている地域生活支援事業の必須事業の中に含まれています。
障害者総合支援法第77条第1項第4号には市町村が行う「成年後見制度利用支援事業」に関して、次の通り規定されています。
成年後見制度利用支援事業とは
障害福祉サービスの利用の観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められる障害者で成年後見制度の利用に要する費用について補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められるものにつき、当該費用のうち厚生労働省令で定める費用を支給する事業
障害者総合支援法第77条第1項第4号の「成年後見制度を利用することが有用であると認められる障害者」とは、知的障害者と精神障害者を言います。
成年後見制度利用支援事業とは、知的障害者や精神障害者に対して、成年後見制度の利用にかかった費用の全部または一部を支給する事業を言います。
具体的には、障害福祉サービスを利用し、あるいは、利用しようとする知的障害者や精神障害者が、成年後見制度の利用に必要となる費用の一部について、補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められた場合に支給されます。
成年後見制度については、弊社下記ページに詳細がございますので、ご参考ください。
厚生労働省令で定める費用
障害者総合支援法第77条第1項第4号の「厚生労働省令で定める費用」は、次の通りです。
※厚生労働省令とは、障害者総合支援法施行規則をさします。
法第七十七条第一項第四号に規定する厚生労働省令で定める費用は、次に掲げる費用の全部又は一部とする。
一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七条、第十一条、第十三条第二項、第十五条第一項、第十七条第一項、第八百七十六条の四第一項及び第八百七十六条の九第一項に規定する審判の請求に要する費用
二 前号の審判に基づく登記の嘱託及び申請についての手数料
三 民法第八百六十二条(同法第八百五十二条、第八百七十六条の三第二項、第八百七十六条の五第二項、第八百七十六条の八第二項及び第八百七十六条の十第二項において準用する場合を含む。)の規定に基づく報酬
四 前三号に掲げる費用のほか、成年後見制度の利用に関し必要となる費用であって、市町村において支給することが適当であると認めたもの
条文レベルでは引用ばかりで理解し難いのですが、成年後見制度を利用した場合は、成年後見制度の申し立て等に必要となる次の経費の全部または一部が支給されるということが、ここには規定されています。
支給される経費
- 審判の請求に要する費用
- 登記手数料
- 鑑定費用等
- 後見人等の報酬等
- 成年後見制度の利用に関し必要となる費用であって、市町村において支給することが適当であると認めたもの
成年後見制度法人後見支援事業とは
続いて、成年後見制度法人後見事業について見てみましょう。
障害者総合支援法第77条第1項第5号には市町村が行う「成年後見制度法人後見支援事業」に関して、次の通り規定されています。
障害者に係る民法(明治二十九年法律第八十九号)に規定する後見、保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るための研修を行う事業
こちらは、条文通りですね。
成年後見制度法人後見支援事業とは、成年後見制度において、後見、補佐、補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るための研修を行う事業を言います。
具体的には、次の事業が行われます。
- 法人後見実施のための研修
- 法人後見の活動を安定的に実施するための組織体制の構築
- 法人後見の適正な活動のための支援
- その他、法人後見を行う事業所の立ち上げ支援など、法人後見の活動の推進に
関する事業
法人後見とは
通常、後見人には自然人である人(司法書士、弁護士、行政書士などの法律専門職や市民後見人、被後見人の家族等)がなりますが、法人でも後見人となることができます。法人後見とは、法人が行う後見を言います。
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