合同会社

合同会社(LLC)は、新会社法で新たに創設された法人格です。当記事では、合同会社の特徴を6つに分けてわかりやすく解説していきます。

1 設立費用が安く、設立手続きも簡単!

合同会社は法務局に支払う登録免許税6万円のみで設立が可能です(電子定款を採用している場合に限ります)。

株式会社は、法務局に支払う登録免許税15万円の他に、公証役場で定款認証を受けるための定款認証手数料が別途5万円が必要になります(電子定款を採用している場合に限ります)。

合同会社が6万円で株式会社は20万円。その差はなんと14万円。大きいですよね。

設立費用も安く、公証役場での定款認証が不要ですので、設立手続きも非常に簡素化されています。

2 自由な組織設計が可能でありかつ迅速な意志決定ができる

株式会社では、株主総会、取締役など一定の機関の設置が強制されます。株式会社の種類によっては、経営者を監視する取締役会や監査役、委員会などの設置が必要になります。

ですから、自然と株主の意向に沿った経営に陥りやすく迅速な意思決定が難しい面があります。

それに対して、合同会社は監視機関の設置が義務付けられていないため、株式会社に比べて迅速な意思決定が可能です。つまり株主総会や取締役会などの機関を設けて会社の意思決定を行う必要がないので、出資者間で直接合意し意思決定することが可能であり、迅速な意思決定を行うことができます。

3 利益配分や組織の意思決定が自由

株式会社と異なり利益配分や組織の意思決定を出資金額の比率に拘束されず自由に決めることができます。

4 定期的な役員変更不要なため役員変更にかかる費用を節約できる

株式会社と異なり定期的な役員変更が不要なので、役員変更にかかる費用を節約できます。

株式会社の場合、役員の任期は原則として「取締役は2年」「監査役は4年」と定められています。非公開株式会社(株式に譲渡制限ついている株式会社)の場合は、取締役・監査役ともに任期を10年まで延長することも可能ですが、任期が存在し、定期的な役員変更が必要なことには変わりありません。

それに対して、合同会社には法律上役員の任期が定められていませんので、定款で「任期を~年とする」と定めない限り、役員の任期は存在しません。

したがって、合同会社の場合は役員の変更を行う必要性が特にない限り、無意味に定期的な役員変更手続きを行う必要がありません。

このように、合同会社の場合は株式会社と異なり、無意味な定期的な役員変更が不要な分、役員変更手続きにかかる収入印紙代や手続きを依頼した専門家に支払う報酬代を節約できる訳です。

5 有限責任でかつ法人格がある。

この点は株式会社と合同会社共通のメリットです。有限責任であるということは、万が一事業が破綻してしまった場合にも、出資した金額の範囲でしか責任を負いません。出資額の範囲を超えて全財産を失うといったリスクを回避できます。これは個人事業主や合名会社、合資会社には認められない大きなメリットです。

また、合同会社には法人格があるので、将来、資金需要が増大した場合や事業が成功して組織の規模拡大の図りたい場合、株式会社への組織変更も可能です。

ちなみに、合同会社と似ているためよく比較される有限責任事業組合(LLP)は、法人格が無いので株式会社に組織変更ができません。また、有限責任事業組合(LLP)の場合は法人格を要件とする許認可が受けられないこともありますので担当の役所で必ずご確認ください。

6 社員一人でも設立可能。資本金が1円でも設立可能。

社員数については法律上規制がないことや、社員が一人になることが法律上解散事由に挙げられていないことから、社員一人による合同会社の設立および存続も認められます。

また、設立時の出資額についても法律上何ら規制がないため1円の出資でも合同会社の設立が可能です。

以上が合同会社の6つの特徴になります。

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