任意継続被保険者制度とは?社会保険労務士がわかりやすく解説

任意継続被保険者制度とは

会社で加入していた社会保険を失った後は、国民健康保険、任意継続制度、ご家族の健康保険(被扶養者)という3つの選択肢からいずれかを選んで健康保険に加入する必要があります。

健康保険に入らないという選択肢はありません。日本は国民皆保険制度を取っているので、国民は何かしらの健康保険には入っておかなければならないことになっています。

任意継続被保険者制度は、従業員が退職や労働条件の変更により社会保険の資格を喪失した場合でも、最長2年間、引き続き同じ健康保険に加入できる制度です。

保険料は在職時の基準に基づき計算され、企業負担分も含めて本人が全額負担しますが、家族も引き続き被扶養者として加入できるため、医療費の負担を抑えられるメリットがあります。

なお、任意継続被保険者制度を利用しない場合や、その他の家族の健康保険の被扶養者にもならない場合は、家族全員が国民健康保険に加入することになります。

加入条件

任意継続被保険者になるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 資格喪失日までに2か月以上の被保険者期間があること。
  • 資格喪失日から20日以内に申請を行うこと。

保険料の納付方法

保険料は毎月の納付書、口座振替、または6か月分もしくは12か月分を前払いする方法で納付します。前払いの場合、割引が適用されることがあります。

資格喪失

任意継続の資格は2年間ですが、就職や保険料未納などの理由で途中でも資格を失う場合があります。

企業の役割

企業は、退職者の保険証を回収し、資格喪失届を退職日から5日以内に提出する必要があります。また、任意継続制度の手続きを迅速に行うため、退職日が確認できる書類の準備が推奨されます。