中小企業等が事業資金の調達を行う場合、どの金融機関を選べば最も効率よく資金を借りられるでしょうか。
金融機関は大きく分けて2種類。
- 銀行を始めとした民間の金融機関
- 国が出資している公的の金融機関
です。
これらのうち、これから事業を始める方(起業家)や中小企業がまず取引を始めるべきは、後者の公的な金融機関となります。政府系金融機関とも言います。
政府系金融機関による融資が一般的に「公的融資」と呼ばれているものになります。
さて、公的融資という言葉をご存知でしょうか?
知らないという方の為に簡単にですが、解説して参りますね。
国は、起業家が増えてほしい、中小企業が元気になってほしいと考えている
公的融資とは、「日本政策金融公庫」や自治体制度融資を担う「信用保証協会」などの政府系金融機関を経由した借入を言います。
起業には「資金」が必要です。
中小企業経営も然りです。当然ですが、資本主義社会で生き抜いていくためには、「資金」が絶対必要不可欠なのです。
※ここからは起業家に焦点を絞って説明をさせていただきます。
起業時はもちろん、起業後においても様々な資金(運転資金・設備資金)が必要になります。
全てを自己資金で賄えれば良いのですが、資産家や事業家でも無い限り、なかなか難しいですよね。
飲食店を例に上げると、居抜き店舗等でも無い限り、開業資金として通常1000万円程度は必要になります(もちろん立地、内装その他様々ありますので一概には言えませんが)。
この1000万円を自己資金のみで用意するのは通常では難しい。
このことは統計データでも見てとれます。
日本政策金融公庫が毎年公表している「起業と起業意識に関する調査」(2016年度版)においても、起業しない理由の1位が「自己資金が不足している」となっています。
起業を考えている人の実に58.6%が資金不足に悩んでいるという結果が出ています。
ちなみに2位が失敗したときのリスクが大きい、3位がビジネスアイデアが思い付かないとなっています。
とはいえ、起業時は、民間銀行のプロパー融資(信用保証協会の保証を受けない融資)は、信用がありませんので利用できません。
銀行は基本的に、信用も実績もない人にお金を貸しません(消費者金融やビジネスローンは別ですが・・・)。
銀行はリスクは取りたがらないので基本的にはこれから起業をしようとする方にはお金を貸さないというスタンスです。
ただ、日本経済をマクロでみると起業家が増えていかない限り、経済は成長していきません。
銀行はお金を貸してくれない=起業ができない。となりますよね。
それでは困るということで、国が100%の出資を行って政府系金融機関を作りました。
これが「日本政策金融公庫(公式HP)」です。
さきほど銀行が貸倒れリスクを嫌ってお金を貸さないと言いましたね。
銀行がそんなことでは起業家が育たない。であれが、「国がその保証人となって万一の際は立て替えてあげるから、銀行は心配しないでどんどんお金を貸し出しなさい」と融資を促す目的でできた機関が「信用保証協会(公式HP)」です。
日本政策金融公庫は国民に直接をお金を貸し出します。
一方の信用保証協会は融資の保証機関(万が一返済できなくなった場合に代わりに返済してくれる)です。
直接お金を出すわけではなく、資金の出どころはあくまでも銀行や地方自治体になります。
これら政府系金融機関は、新規開業資金の貸し出しのみならず、既開業者のための追加融資・つなぎ融資なども行っています。
公的融資というだけあって、金利や保証料も低く設定されています。
貸出期間も長く、更には無担保・無保証での融資制度も充実しています。裏を返させば、それだけ融資の審査は厳しくもなってくるということを意味します。
当然と言えば当然ですね。政府系金融機関ですから、その事業の原資は国民の税金です。
税金が原資ですから、融資も簡単にはいきません。緻密な事業計画の作成が必須となりますし、自己資金要件というものも出てきます。開業する事業の経験等も当然必要なります。
政府系金融機関だから簡単に借りられるというわけではありませんが、銀行よりも融資には積極的であることもまた事実です。
認定経営革新等支援機関である弊社公式サイトでは、政府系金融機関である日本政策金融公庫や信用保証協会経由の借入についての情報、ノウハウを提供しておりますので、ぜひともご活用くださいませ。