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当ページでは、一般社団法人に関する基本的な事項について、一般の方でもわかりやすいように、一問一答形式で解説しています。

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行政書士津田拓也プロフィール

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一般社団法人とはQ&A

一般社団法人とは何ですか?

一般社団法人は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づく非営利法人です。社員2名以上で設立でき、社員に利益を分配せず事業を行います。

非営利法人とは何ですか?

非営利法人は利益を上げることができますが、それを社員に分配することはできません。利益は次年度に繰り越して使用されます。

一般社団法人の略称は?

一般社団法人の略称は、(一社)と表記します。一般財団法人は(一財)です。公益社団法人では(公社)、公益財団法人では(公財)になります。単に(社)と表記すると、一般社団法人か公益社団法人なのか区別がつきませんので、それぞれ表記が異なります。

一般社団法人の英語表記は?

一般社団法人の英語表記は、「General Incorporated Association」や「General Incorporated Foundation」です。「協会」の英語表記が「association」ですので、単に「○○ association」としている法人も多くあります。

非営利法人は、どのような法人がありますか?

非営利法人には、一般社団法人や一般財団法人以外にも、NPO法人、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人があります。この内、一般社団法人や一般財団法人は、行政庁の許可を得ることなく登記のみで誰でも設立することができ、設立後も行政からの監督や指導がないのが特徴です。

一般社団法人の事業は公益性が必要ですか?

一般社社団法人で行う事業内容については、特段法律上の制限がありませんので、公益性を求められることはありません。もちろん適法であることが前提ですので、法律に反するような事業でなければ問題ありません。

一般社団法人に監督庁はありますか?

一般社団法人はNPO法人とは異なり、公益性を求められません。 そのため、法務局への登記手続きのみで設立できます。従って、監督庁はなく、設立後も役所から監督、指導を受けることはありません。

一般社団法人に向いている事業は?

一般社団法人では、株式会社のように儲けを目的とする営利事業を行うのではありませんので、公益や共益を目的としている団体が法人化するのに向いています。例えば、同窓会、町内会、サークル、医学系の団体、学術系の団体、スポーツ団体などが適していると言えるでしょう。

一般社団法人の主たる事務所とは何ですか?

一般社団法人の活動拠点となる場所を「主たる事務所」と言います。会社の「本社」「本店」と同じような意味です。主たる事務所をどこに置くのか特に制限はありませんので、自宅でも事務所を借りても構いません。ただし、主たる事務所の住所宛に税務署や年金事務所などから色々な書類が届きますので、確実に郵便物が届く住所であることが前提です。

設立Q&A

設立には何が必要ですか?

設立には公証役場での定款認証と法務局での登記が必要です。特別な許可は不要です。

設立手続きの特徴は何ですか?

設立には最低2名の社員が必要で、設立時に財産の拠出は不要です。最低限必要な機関は理事1名で、理事会や監事の設置は任意です。

定款作成や認証手続きはどう行いますか?

基本事項を決定後、定款原案を作成し、公証役場で定款認証を受けます。その後、法務局で登記申請を行います。

設立のメリットは何ですか?

社会的信用力の向上、少ない資金で設立可能、税制上の優遇措置などがあります。

設立のデメリットは何ですか?

利益分配ができない、役員の登記手続きが必要、事務処理の煩雑さなどです。

設立にかかる費用と時間は?

設立には約11万円の費用と1ヶ月程度の時間がかかります。設立にかかる時間については、ケースバイケースで、設立する法人の規模や業種によって異なります。

一般社団法人の設立にかかる費用はどのくらいですか?

一般社団法人の定款を作成する際に公証役場へ支払う手数料が5万円かかります(謄本手数料として別途2,000円程度必要)。また、法務局へ登記申請を行う際に登録免許税6万円がかかりますので、費用は合計で11万円です。なお、設立手続きを専門家に依頼する場合には、別途報酬がかかります。

一般社団法人の定款には印紙代がかかりますか?

株式会社や合同会社などの会社設立時に作成する定款とは異なり、一般社団法人が設立時に作成する定款については、印紙税の課税対象となりませんので、定款に印紙を貼る必要はありません。ですので、一般社団法人の定款は紙で作成しても、電子定款で作成しても、設立コストは変わりません。

一般社団法人の定款とは何ですか?

定款は「ていかん」と読みます。一般社団法人の名称、所在地、目的・事業内容や機関構成など、法人の活動に関する根本的な原則が明文化されたもので、法人運営に関するさまざまなルールを記載します。一般社団法人の設立時には必ず作成しなければならず、公証役場で認証を受けることにより効力が発生します。

一般社団法人はどのくらいの期間で立ち上げできますか?

設立する機関構成にもよりますが、通常1週間~10日はかかります。社員や理事の人数が多ければ、その分作成する書類・押印する書類が多くなりますので、更に期間がかかります。余裕をもって1ヶ月程度見ておけば良いでしょう。

バーチャルオフィスでも設立できますか?

バーチャルオフィスでも設立できます。バーチャルオフィスにはたくさんの会社が入っていますので、同じような法人名・会社名が存在していないか確認してから、設立するようにしましょう。

一般社団法人の名称に記号は使えますか?

一般社団法人の名称に使用できる文字は「漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット(大文字・小文字)、数字、記号」です。使える記号は、「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「‐」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点)の6種類と決まっていますので、すべての記号が使えるわけではありません。また、記号は字句を区切る場合に限り使用できますので、名称の先頭や末尾に使用することはできません(「.」(ピリオド)のみ末尾に使用可)。

自宅を事務所にしても問題ないですか?

自宅を一般社団法人の主たる事務所としても問題ありません。ただし、自宅であっても借りている場合は「住居用」として契約していることがほとんどですので、営業所や店舗として使用できないことが多くあります。事前に管理会社へ「事業用」として使用できることを確認しましょう。

会社と同じ住所に一般社団法人を置くことはできますか?

株式会社を登記している住所と同じ住所に一般社団法人を置くことは登記上、問題ありません。ただし、事務所を借りている場合は、たとえ同じ経営者だとしても勝手に使用することはできませんので、管理会社へ一般社団法人の住所として使用できるか、事前に確認する必要があります。また、郵便物が届かないといったことがないように、表札を掲げるなどの対策も必要です。

一般社団法人の設立日はいつですか?

法務局へ登記申請を行った日(登記申請書を提出した日)が一般社団法人の設立日になります。この設立日は、法人の登記簿謄本の「法人成立の年月日」欄に記載されます。設立希望日があれば、逆算してその日に間に合うように手続きを進めましょう。ただし、法務局の閉庁日(土日・祝日)は申請書を提出できないため、設立はできません。

公益社団法人との違いは何ですか?

公益社団法人は公益認定が必要であり、税制優遇を受けられますが、監督官庁の監督を受けるため、一般社団法人よりも厳格な運営が求められます。

NPO法人とは何ですか?

NPO法人は、不特定多数の者の利益のために特定非営利活動を行う法人です。設立には社員10名以上が必要で、所轄庁の認証を受ける必要があります。

一般社団法人とNPO法人で、設立手続きや期間は異なりますか?

一般社団法人は約1?4週間で設立できますが、NPO法人は約5?6ヶ月かかります。一般社団法人は公証役場での定款認証と法務局での登記が必要ですが、NPO法人は所轄庁の認証が必要です。

一般社団法人と一般財団法人の違いはなんですか?

一般社団法人は、人が集まることによって法人格が与えられますので、2人以上の構成員が集まることで設立することができます。一般社団法人には「資本金」等の金銭を出資する必要はありません。一般財団法人は、金銭や動産などの財産に対して法人格が与えられますので、設立者が300万円以上の財産を拠出することで設立することができます。

NPO法人から一般社団法人に変更できますか?

できません。NPO法人を一般社団法人へ組織変更することはできませんので、新たに一般社団法人を設立して、NPO法人を解散する手続きが必要です。NPO法人解散後に残余財産がある場合は、その帰属先が公益法人等に限定されているため、設立した一般社団法人へ帰属させることはできません。NPO法人の残余財産を移行させたい場合は、一般社団法人が公益認定を受けた後に移すことができます。

株式会社や有限会社を解散して一般社団法人にできますか?

できません。株式会社や有限会社を一般社団法人へ組織変更することはできませんので、新たに一般社団法人を設立して、株式会社や有限会社を解散する手続きが必要です。株式会社や有限会社の財産を一般社団法人へ移行させたい場合は、非営利型の一般社団法人を立ち上げるのが一般的です。

一般社団法人でクリニックは開設できますか?

一般社団法人でクリニック(診療所)の開設は可能です。非営利性を満たす必要がありますので、「非営利型(非営利性が徹底された法人)」一般社団法人で設立した後、保健所の許可を受ける流れになります。保健所によっては一般社団法人で診療所を開設した前例がない理由等で審査期間が長期に渡ることもありますので、設立前に保健所へ確認するほうが良いでしょう。

一般社団法人の設立に関して専門家に相談することの重要性は何ですか?

専門家に相談することで、法的手続きの正確さを確保し、設立後の適切な運営も見据えたアドバイスを得ることができます。手続きのミスを防ぐこともできます。

一般社団法人の運営におけるデメリットは?

一般社団法人のデメリットは、社員に利益を分配(配当)できないこと、株式会社のように株式発行による資金調達ができないこと、役員の任期ごとに必ず登記手続きが必要になることがあげられます。

公益社団法人を設立するには?

一般社団法人の設立後に行政庁(内閣総理大臣または都道府県知事)へ公益認定の申請を行うことで公益社団法人となることができます。まずは一般社団法人を設立してからになりますので、いきなり公益社団法人となることはできません。また、公益認定は公益認定基準に基づいて審査が行われますので、必ずしも公益社団法人として認定されるわけではありません。

一般社団法人と株式会社の事業内容に違いはありますか?

一般社団法人と株式会社の事業内容に違いはありません。一般社団法人は公益的な事業しか行うことができないと勘違いされることがありますが、株式会社と同様法律に反するような事業でなければ問題なく行うことができます。非営利性も問われません。ただし、非営利型一般社団法人の場合は、その行う事業が収益事業に該当すれば法人税の課税対象となります。

株式会社が一般社団法人を設立することはできますか?

株式会社が一般社団法人を設立することは可能です。一般社団法人は社員2名以上が集まって設立しますが、社員は個人でも法人でも構いません。株式会社で行っている事業の一部(例えば公益性が高い事業)を一般社団法人で行うために設立することも多くあります。ただし、株式会社と新たに設立する一般社団法人の事業目的に同一または類似の事業目的がある必要があります。

一般社団法人の社員・理事・その他の機関Q&A

一般社団法人の社員とは誰のことですか?

社員とは、一般社団法人の構成員のことです。一般社団法人を設立する際に立ち上げメンバーになった人を「設立時社員」と言いますが、一般社団法人設立後はその設立時社員がそのまま「社員」になります。一般社団法人の社員は、社員総会の議決権を持ちますので、法人の重要事項を決める権利がある人です。簡単に言うと、株式会社の「株主」と似た存在になります。

一般社団法人の社員になるための資格は何ですか?

法律上特定の資格は不要ですが、定款で独自の資格要件を設けることができます。

社員の辞任は自由にできますか?

社員はいつでも辞任(退社)できます。定款において事前予告が必要と定めている場合でも、やむを得ない事由があればいつでも辞任(退社)することができます。

一般社団法人の社員の義務には何がありますか?

社員は定款に基づき経費負担義務を負うことがあり、その他の義務も課されることがあります。

社員名簿の作成は必要ですか?

はい、法律により社員名簿の作成と主たる事務所への備え置きが義務付けられています。

社員の議決権は1人1個ですか?

社員は、原則「1人1個」の議決権を有しています。株式会社とは異なり、社員は出資しませんので、出資金によって議決権が異なるということはありません。社員が10人いれば、議決権の総数は10個になります。

社員ごとに議決権を変更することは可能ですか?

定款において社員ごとに異なる議決権を設定することは可能です。例えば、定款に「社員Aの議決権は2個、社員Bは1個、社員Cは1個」と規定することもできます。一般社団法人設立後に議決権を変えたい場合は定款変更になりますので、社員で話し合い、社員総会で承認を得られるかがポイントになります。

社員を除名することはできますか?

社員が法人の名誉を毀損するなど正当な事由がある場合に限って、社員総会の決議により除名することができます。 ただし、除名する一週間前までにその社員に通知した上で社員総会において弁明する機会を与えなければなりません。

会費を滞納している会員がいます。退会させることはできますか?

会員に会費の納入を義務付けている一般社団法人では、定款において会員の資格喪失事由として「会員が○年以上会費を滞納したとき」と定めていることが多くあります。○年以上は、法人によって1年や2年ですが、会費の滞納によって資格を喪失をした会員は退会することになります。

会員の種別によって会費の有無を設定できますか?

正会員や一般会員、賛助会員など、会員種別をいくつか設定している場合は、会員種別ごとに会費の有無を設定することも可能です。賛助会員は法人を賛助するために入会する者ですので会費無しにすることは想定しにくいですが、例えば、法人に対して多大の貢献をした人に名誉会員として入会してもらう場合は、名誉会員は会費不要とできます。

会員の名称はどのように付けますか?

会員制度を置く一般社団法人では、「正会員・一般会員・賛助会員・学生会員」などの会員種別を設けることが多いですが、必ず会員という名称を使用する必要はなく、任意の名称を付けることができます。「会員」ではなく、「メンバー」などの名称でも問題ありません。

会員の入会を制限することはできますか?

会員の入会制限を設けることは可能です。例えば、代表理事の承認を得なければ入会できない、3名以上の会員の紹介がなければ入会できない、といった規定を設けることで入会時点で想定していない者からの入会を拒むことができます。

会員が入会するにはどのような手続きが必要ですか?

一般社団法人の会員として入会するには、「入会申込書」を法人に提出して、代表理事や理事会が承認すると入会できるとしているのが一般的です。会員の資格や入会方法は定款に定めているはずですので、その規定に従って入会手続きを行います。

会員が退会するにはどのような手続きが必要ですか?

会員は、いつでも退会できるのが原則です。退会するときは、退会届を提出することにより退会できると定款で定めているのが一般的です。定款に退会についての制限を設けている(例えば1ヶ月前に退会予告をするなど)のであれば、その方法に従って退会手続きを行います。

法定退会とは何ですか?

法律に定められた事由が発生したときは、強制的に退会することになります。これを「法定退会(退社)」といいます。法定退会には、全ての正会員の同意があったとき、その会員が死亡したとき、法人会員の場合はその会員が解散したとき、除名されたときなどが該当します。

会員名簿は作成しなければなりませんか?

会員制度を置いている一般社団法人では、会員名簿の作成は不可欠です。名簿を作成することで、法人は会員が誰であるかが確認でき、会員は自分の権利を把握できます。特に「社員=正会員」としている法人では、正会員が誰であるか特定するため、正会員名簿を作成して、主たる事務所に備えておく必要があります。

会員規約は必要ですか?

会員規約は、一般社団法人とその会員との間のルールのようなものです。会則とも呼ばれたりします。会員の入会・退会方法や、会費の支払い方法、会員の権利・義務などが定められており、入会の際にはその内容を受け入れてもらう(同意して入会してもらう)ことで入会後のトラブルを防ぐ目的もあります。リスクマネジメントの観点から作成することが望ましいでしょう。

入会申込書は規定のものがあるのでしょうか?

入会申込書は規定のものはありませんので、法人内部で自由に作成することができます。一般的には、会員の氏名・住所・連絡先電話番号・メールアドレス・希望する会員種別・入会日などを記載します。

退会申込書は会員が作成するのでしょうか?

退会申込書など、一般社団法人への届出事項に関する書面は法人側で準備すべきです。規定の書式はありませんので、事前に法人側で準備しておき、ホームページに入会・退会・変更等の各種申込書をダウンロードできるようにしておくと運営がスムーズです。

社員と会員の違いは?

一般社団法人の社員と会員は異なります。社員は一般社団法人の構成員(社員総会の議決権を有している者)ですが、会員は一般社団法人が行っているサービス等の提供を受ける者であり、社員のような権限はありません。ただし、ある会員(多くは正会員)にだけ社員の権限を与えるといったことも可能です。

会長や副会長を置くことはできますか?

理事の中から必要に応じて会長や副会長といった役職を置くことができます。会長や副会長は法人内部の呼称ですので、代表理事を会長とすることも可能です。その他、副理事、副理事長といった呼称も任意で決めることができますが、これらの呼称は法務局で登記されることはありません(登記簿謄本には記載されません)。

一般社団法人の社員が1人になった場合はどうなりますか?

一般社団法人を設立する際には、社員は2人以上が必要でしたが、一般社団法人設立後に社員が1人になった場合でも存続はできます。ただし、社員が1人も居なくなった場合=0人になった場合は、解散します。解散リスクを回避するのであれば、新しく社員を迎え入れるほうが良いでしょう。

社員が死亡するとどうなりますか?

一般社団法人の社員が亡くなると、その社員は死亡した時点で退社することになります。社員の地位は相続の対象とはされておらず、第三者へ譲渡することもできません。

役員には任期がありますか?

一般社団法人の役員である理事や監事には任期があります。理事の任期は最長でも2年で、短縮はできますが伸長することはできません。監事の任期は最長で4年です。役員の任期が満了すると、同じ方が続投する場合でも法務局へ役員変更の登記手続きが必要になります。

理事の任期を伸ばすことはできますか?

理事の任期は、原則2年です。正確には「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」という決まりがあります。2年以内ですので任期を2年以下に短縮することはできますが、任期を伸ばすことはできません。

監事の任期を伸ばすことはできますか?

監事の任期は、原則4年です。正確には「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」という決まりがあります。ただし、定款において2年以内を限度として短縮することは可能ですが、任期を伸ばすことはできません。

理事を追加した場合、任期はどうなりますか?

理事の任期は「選任時」から始まりますので、追加(増員)した理事の任期は社員総会で選任された日からカウントします。在任中の理事と追加した理事とは任期の満了する時期が異なることになりますので、定款において「増員により選任された理事の任期は、在任中の他の理事の任期の満了する時までとする」という任期を短縮する規定を置くことで、任期をあわせることができます。

監事を追加した場合、任期はどうなりますか?

監事の任期は「選任時」から始まりますので、追加(増員)された監事の任期は社員総会で選任された日からカウントします。追加(増員)された理事とは異なり、追加(増員)された監事には定款でも任期を短縮する旨の定めを置くことはできません。したがって、在任中の監事と追加された監事とは任期の満了する時期が異なりますので、改選時期に注意しなければなりません。

理事会を置くには、理事は何人必要ですか?

理事会を設置したい場合は、理事3名以上と監事1名以上を置く必要があります。「以上」ですので、理事3名と監事1名の最低人数で問題ありません。どちらも人数の上限はありませんので何人でも置くことができますが、定款において人数の上限を設けることも可能です。

社員は理事になることができますか?

社員は一般社団法人の構成員ですが、理事を兼任することができます。社員=理事、社員=監事でも問題ありません。社員と理事が同一人物であっても、法律上は別の立場になりますので、社員としての配当はありませんが、理事として役員報酬を受け取ることは問題ありません。

一般社団法人の理事はどのように選ばれますか?

一般社団法人の理事は、社員総会の決議によって選任されます。社員総会には社員が出席して、議案についての賛否(議決権)を行使しますので、社員が理事を選ぶと言っても過言ではありません。なお、理事は必ず社員総会の決議によって選任されますので、社員総会以外の機関で選んでも効力はなく、無効となります。

一般社団法人の理事が死亡したらどうなりますか?

一般社団法人の理事が死亡した場合は、その死亡日をもって自動的に「退任」となります。理事は法務局で氏名が登記されていますので、死亡後に理事の変更登記申請を行います。ただし、理事の死亡に伴って法令や定款で定めた理事の員数に欠員が生じる場合は、新たな理事を選任して、退任と就任の登記を同時に行う必要があります。

一般社団法人の理事は報酬がもらえますか?

一般社団法人の理事は、法人の業務遂行を委任された人ですので、その対価として報酬を得ることができます。理事の報酬額は定款または社員総会において定められますので、理事が勝手に報酬額を決定することはできません。また、非営利型の場合、過大な報酬額となった場合は、事実上の利益分配とみなされる場合もありますので、報酬額は顧問税理士さんと相談して決めると良いでしょう。

理事は無報酬とすることができますか?

役員報酬は社員総会の決議により決めることができますので、いろいろな理由によって理事の報酬を無報酬にするケースもあります。特に非営利法人である一般社団法人では、理事が無報酬であることは珍しくありません。無報酬であっても職務の遂行に要した旅費や交通費などの費用を支払うことはできます。

役員報酬はどのように決めたらいいですか?

一般社団法人の理事・監事に対して支払われる報酬を「役員報酬」といいます。役員報酬は、定款または社員総会の決議で決定しますが、定款に役員報酬の額を定めている法人はほぼいませんので、多くの法人では社員総会の決議によって決めます。

役員報酬を決める時期はいつですか?

役員報酬は一般社団法人設立後3ヶ月以内に決めます。一般社団法人設立後に役員報酬を変更する場合は、事業年度終了後3ヶ月以内に開催される定時社員総会において決議するのが、一般的な運用となります。役員報酬は毎月同じ額を1年間支払いますので、役員報酬決定から1年間は原則報酬額の変更はできません。

理事会で理事の報酬額を決めることはできますか?

理事会が理事の報酬額を決めることは認められませんが、社員総会において理事の「報酬総額」を決定して、個々の理事の報酬額を理事会で決議する方法は認めらています。

理事会で監事の報酬額を決めることはできますか?

監事の報酬額を理事会や代表理事が決めることはできません。監事が複数名いる場合で、定款又は社員総会の決議において各監事の具体的な報酬額が決まっていない場合は、報酬額の範囲内で監事の協議により定めます。

一般社団法人の理事は誰がなるべきですか?

一般社団法人の理事は基本的に誰がなっても構いませんが、その業務を行うに足りる「経験・知識・経歴」を持つ人物を選任するのがベストです。また、欠格事由(法人・一般法人法等に違反して刑に処せられ執行等を終え2年を経過しない者等)に該当する場合は理事になれません。

外国人でも一般社団法人の理事になれますか?

外国籍の方でも一般社団法人の理事になれます。設立手続きには印鑑証明書が必要ですので、印鑑証明書の代わりに本国官憲の作成したサイン証明書を発行してもらい、印鑑証明書の代わりに提出します。

未成年者でも一般社団法人の理事になれますか?

未成年者でも一般社団法人の理事になれます。ただし、未成年者が理事に就任するには、親権者(法定代理人)の同意が必要ですので、登記にあたっては同意書が必要になります。

理事を解任することはできますか?

理事が業務執行を担う者として不適切である等、正当な理由がある場合は社員総会決議によって理事を解任することができます。ただし、正当な理由がなく解任した場合は、解任された理事は解任によって生じた損害の賠償を請求することが認められています。

監事を置く必要がありますか?

監事の設置は任意ですので、監事を置いても置かなくても構いません。ただし、理事会を置く一般社団法人では、監事の設置は必須ですので、1名以上の監事を置かなければなりません。

監事にはどのような役割がありますか?

監事は、理事が行う業務を監査する機関です。理事の不正が判明した場合は、理事会や社員総会に報告する義務があります。また、法人の会計監査を行い、監査報告書を作成します。監事は、法人の運営が適正に行われるための重要な役割を担っています。

理事と監事は兼任できますか?

監事は、理事の業務を監査する立場の人です。従って、理事と監事は兼任することはできませんので注意してください。もし兼任を認めてしまうと、理事の職務を自分自身でチェックすることになり、監事を置く意味がなくなってしまうからです。

一般社団法人の代表者の肩書きは?

一般社団法人の代表者は「代表理事」です。代表理事ではなく、「理事長」とすることもできますが、「理事長」は法人内部の「呼称」であり、正式な名称ではありません。定款において代表理事を理事長と称すると定めることによって、理事長と名乗ることはできますが、法務局では「代表理事」として登記されます。

理事会を廃止することはできますか?

理事会を設置している一般社団法人が理事会を廃止することはできます。定款には理事会に関する条項が定められていますので、その条項を削除するための定款変更と法務局へ理事会廃止の登記手続きが必要になります。なお、理事会を廃止しても理事や監事はそのまま続投できますが、監事も廃止するのであれば、同時に監事の廃止と役員変更の登記手続きを行わなければなりませんので注意してください。

理事会を設置することはできますか?

理事会を設置していない一般社団法人が新たに理事会を設置することはできます。定款変更が必要になりますので、定款変更と法務局へ理事会設置の登記手続きが必要になります。なお、理事会を置くには理事3名以上+監事1名以上置かなければなりませんので、人数が足りない場合は、同時に役員変更の登記手続きを行わなければなりませんので注意してください。

理事会はいつ開催しますか?

代表理事及び業務執行理事は「3ヶ月に1回以上」の割合で、自己の職務の執行状況を理事会へ報告しなければなりませんので、事業年度に4回以上開催します。定款に「4ヶ月を超える間隔で年2回以上」と定めを置いている場合は、事業年度に2回以上の開催とすることができます。

監事は理事会へ出席する必要はありますか?

監事は、理事会に出席し「必要があると認めるときは意見を述べなければならない」とされていますので、理事会に出席することになります。ただし、監事は理事会の決議に加わることはできません。

理事会を開くには、どうすればいいですか?

理事会を開くには、理事会の開催前に各理事及び監事へ通知しなければなりません。社員総会のように年1回必ず開催するような理事会はありませんので、その都度必要がある時に開催します。なお、理事及び監事全員の同意があるときは、招集手続きを省略して開催することができます。

理事会は誰が招集しますか?

理事会を招集する権限があるのは原則各理事ですが、定款において代表理事が招集権者となり、理事会を開催すると定めているのが一般的です。定款に誰が理事会を招集すると規定されているか、確認してください。また、監事も必要があると認める時は、理事会の招集を請求することができます。

理事会の決議の省略(みなし決議)とは何ですか?

理事会は定期的に開催することが求められていますが、一定の要件を満たした場合は実際に理事会を開催することなく、書面のやり取りのみで理事会の決議があっとみなすことができます。理事会を開催せずに決議があったとみなすことができるため、理事会の「みなし決議」とも呼ばれています。

理事会はどこで開催しますか?

理事会の開催場所については特に決まりはありません。法人の所在地でも、その他の場所でも開催可能です。多くの場合は法人の会議室で行われることが多いようです。理事会の招集通知には、①日時と場所、②開催目的、③議案の内容などを記載しますので、事前にどこで開催するかわかるようになっています。

理事会はオンライン(WEB)開催できますか?

理事会は実開催が前提ですが、理事会に参加することができない理事や監事のために、Web会議、テレビ会議、電話会議などの方法により開催することも可能です。

理事が理事会へ出席できません。委任状の提出は可能ですか?

理事は自ら理事会に出席し、議決権を行使することが求められていますので、理事会へ委任状等を提出して議決権を行使することは認められません。

理事が理事会へ出席できません。他の理事が代理人として出席することは可能ですか?

理事は自ら理事会に出席し、議決権を行使することが求められていますので、理事会への代理出席は認められません。

理事会議事録には押印が必要ですか?

理事会に出席した理事及び監事は、理事会議事録に署名又は記名押印する必要があります。 ただし、定款において「議事録に署名し又は記名押印しなければならない者を理事会に出席した代表理事とする」と定めがある場合は、代理理事と監事のみ署名又は記名押印します。

理事会の決議の方法は?

理事会は議決に加わることのできる理事の過半数が出席して、その過半数で決します。社員総会と異なり「特別決議」はありません。ただし、定款において上回る割合(例えば、出席理事の3分の2以上)を定款で定めることも可能です。

理事会議事録は保管する必要はありますか?

一般社団法人では、理事会の日から10年間、理事会議事録を主たる事務所に備え置かなければなりません。社員総会議事録とは異なり従たる事務所での保管義務はありません。

代表理事を2名置くことはできますか?

代表理事を2名置くことは可能です。代表理事の人数に制限はなく、理事全員を代表理事とすることも法律上は可能です。ただし、基本的に定款において代表理事を何名置くのか定めていますので、「代表理事1名を置く」としていた場合は、定款を変更しなければ複数名置くことはできません。

一般社団法人の代表理事はどのように決めますか?

理事会を置いている一般社団法人では、代表理事は「理事会の決議」によって選定します。理事会を置いていない一般社団法人では、定款でどのように代表理事を選定するのか(理事の互選によって代表理事を選定する等)を定めていますので、その方法に従って選定します。

理事は任期途中で辞任できますか?

理事の任期は最長2年ですが、任期途中で一身上の理由により辞任することもできます。理事が辞任するにあたり、社員総会や理事会の決議は必要なく、法人へ辞任届を提出すると効力が発生します。ただし、辞任により理事の員数が欠けた場合は、新たな理事が就任するまでの間は理事の権利義務を有します。

新たに理事を追加することはできますか?

理事は社員総会において選任されますので、理事を追加したい場合は社員総会の決議により追加することができます。また、定款において理事の員数の上限を定めていて、追加により上限を超えることになる場合は、定款変更の決議も同時に行う必要があります。

新しく理事が就任しました。登記はいつまでにしなければなりませんか?

法務局への登記は、原則として登記の事由が発生したときから「2週間以内」に行うという決まりがあります。新しく理事が就任した場合は、その理事が就任を承諾した日から2週間以内に登記しなければなりません。2週間を経過しても登記が拒否されることはありませんが、なるべく早く登記申請を行うように注意しましょう。

現在監事がいません。新たに監事を置くことはできますか?

監事の設置は任意ですので、設立した際に監事がいなくても問題ありません。設立後に監事を置く場合は、定款変更と法務局へ役員変更の登記手続きが必要になります。定款には監事の条項を新しく追記しますので、専門家へ依頼するほうが良いでしょう。

会計監査人は何をする人ですか?

会計監査人は、一般社団法人が作成する計算書類(貸借対照表・損益計算書等)を監査する機関です。会計監査人は、理事の職務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、監事に報告する義務を負います。

会計監査人を置く必要がありますか?

会計監査人の設置は任意ですが、大規模一般社団法人(最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上である一般社団法人)では会計監査人を置かなければなりません。会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければならず、会計監査人を置く場合は、監事も置かなければなりません。

会計監査人と監査役の違いは何ですか?

会計監査人は公認会計士や監査法人のみが就任できる、外部から一般社団法人をチェックする第三者関です。一般社団法人が作成した決算書類をチェックし、会計監査報告書を作成します。監事は法人内部の機関として経営が正しく行われているかどうかをチェックする機関であり、資格は問われません。

理事の任期が満了するとどのような手続きが必要ですか?

理事任期が切れる年度の定時社員総会において、改めて理事を選任する手続きが必要です。また理事の任期満了に伴い、代表理事も選定し直す必要があります。定時社員総会終了後に議事録や就任承諾書などの書類を作成して、法務局へ役員変更の登記手続きを行わなければなりません。

会社(法人)が一般社団法人の社員になれますか?

一般社団法人の社員は個人はもちろん、会社(法人)でも社員になることができます。一般社団法人の設立時には社員は2名以上必要となりますので、「個人1名+会社1社」でも設立できますし、「会社2社」でも設立ができます。一般社団法人設立後は、法人に対して入社の申し込みをすることによって、社員として入社することができます。ただし、一般社団法人の定款において社員の資格を定めていますので、定められた入社資格があることが前提となります。

会社(法人)が一般社団法人の理事になれますか?

会社(法人)が一般社団法人の理事になることはできません。一般社団法人の理事は、実際に法人の業務を運営する人のことですので、会社(法人)は理事になれず、監事にもなれません。

定時社員総会とは何ですか?

事業年度の終了後、一定の時期に開催される社員総会を「定時社員総会」と言います。一般社団法人は事業年度の計算書類(貸借対照表・損益計算書等)を作成しなければならず、この計算書類は定時社員総会の承認により確定されます。従って、年に1回必ず定時社員総会を開催することになります。

社員総会の普通決議とは?

一般社団法人の普通決議は「総社員の議決権の過半数を有する社員が出席して、出席した社員の議決権の過半数」をもって行います。議決権は原則「社員1人1個」ですので、例えば社員が3名いる一般社団法人では、社員総会へは社員2名以上の出席(委任状による出席含む)が必要であり、出席した社員2名以上の賛成により議案が可決されます。

社員総会の特別決議とは?

一般社団法人の特別決議は「総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数」をもって行います。定款にこれを上回る割合を定めることもできます。議決権は原則「社員1人1個」ですので、例えば社員が10名いる一般社団法人では、社員総会へは7名以上の社員が出席(委任状による出席含む)して、7名以上の賛成により議案が可決されます。

社員総会の特別決議で決める事は?

一般社団法人の重要な事項を決める際には、社員総会の特別決議でなければなりません。特別決議で決める事項は、社員(会員)の除名に関する決議、監事の解任に関する決議、定款変更に関する決議、解散に関する決議などがあります。

社員総会の招集通知は出さなくてもいいですか?

社員総会を開催するには、社員全員に対して招集通知を発する必要がありますが、社員全員の同意があるときは、招集手続きを省略することができます。社員全員ですので、一人でも反対されると招集通知を出さなくてはいけません。また、社員の同意方法の定めはなく、決まった書類も必要ありませんが、同意書などを作成しておくほうが良いでしょう。

社員総会はいつ開催しますか?

社員総会は事業年度終了後から一定の期間(2ヶ月又は3ヶ月以内)に開催するのが基本です。この1年に1度必ず開催する社員総会を「定時社員総会」といいます。また、必要があるときにいつでも開催できる「臨時社員総会」があります。

社員総会に出席できない社員がいます。議決権は行使できますか?

社員の議決権行使を制限するようなことはできませんので、社員総会に出席できなくても議決権を行使することができます。社員総会に出席できない社員がいる場合は、委任状を提出して代理人が議決権を行使する方法、議決権行使書を使用して事前に議決権を行使する方法、電子投票を使用して事前に議決権を行使する方法があります。

社員総会はオンライン(WEB)開催できますか?

社員総会の会場を設ける一方で、インターネット回線等を使用してオンランで開催することもできます。この場合は、音声や映像により総会の内容を把握できること、質問や発言、議決権の行使を行うことができる環境であることが必要とされています。

社員総会の決議の省略(みなし決議)とは何ですか?

社員全員の同意があれば社員総会を実際に開催することなく、書面のやり取りのみで社員総会の決議があったものとみなすことができます。社員総会の決議を省略して、書面のみで決議があったものとみなすことから社員総会の「みなし決議」とも呼ばれています。

社員総会議事録作成の注意点は?

社員総会議事録は決まった書式はありませんが、議事録へ記載する事項は決まっていますので、記載漏れが無いように注意する必要があります。社員総会が開催された日時と場所・議事の経過の要領及びその結果・出席理事・監事の氏名・議長の氏名・議事録作成者の氏名などがあります。

社員総会はオンライン(WEB)開催した場合の議事録作成の注意点は?

社員総会をオンライン(WEB)開催した場合は、社員総会議事録には「オンライン(WEB)会議システムを用いて社員総会を開催した」こと、「オンライン(WEB)会議システムにより、出席者が一堂に会するのと同等に適時・的確な意見表明が互いにできる状態となっていることが確認されて、議案の審議に入った」ことの記述が必要になります。

社員総会議事録には押印が必要ですか?

社員総会議事録には押印義務はありませんが、定款において議長と出席した理事が記名・押印を行うと定めているのが一般的です。その他、総会で選出された議事録署名人が記名・押印すると定めていることもありますので、定款を確認してみましょう。

社員総会議事録は保管する必要はありますか?

作成した社員総会議事録は、主たる事務所に10年間保存しなければなりません。従たる事務所がある場合は、議事録の写しを従たる事務所へ5年備え置いておかなくてはいけませんが、社員総会議事録を電子データで作成している場合は主たる事務所への保管のみで足ります(ただし、従たる事務所へすぐに電子データを送れる状態にしておく必要があります)。

一般社団法人と社会保険・労働保険Q&A

一般社団法人でも社会保険に加入しないといけませんか?

一般社団法人は、社会保険(厚生年金と健康保険)に加入する義務があります。一般社団法人は、株式会社や合同会社などの営利法人と同じく、社会保険の強制適用事業所になります。例えばですが、理事1名の一般社団法人でも、役員報酬を支払うのであれば社会保険には加入しなければなりません。

一般社団法人でも労働保険に加入しないといけませんか?

一般社団法人で従業員(労働者)を雇った場合は、労働保険(雇用保険と労災保険)に加入しなければなりません。ただし、雇用保険は加入対象者が決まっていますので、従業員がパートやアルバイトであれば加入できない場合があります。労働保険は従業員のための保険ですので、役員(理事・監事)のみであれば加入することはできません。

一般社団法人とお金Q&A

一般社団法人に資本金は必要ですか?

一般社団法人に資本金は要りません。一般社団法人は人が集まることによって法人格が与えられますので、資本金を出資することなく設立できます。登記簿謄本にも、資本金に関する記載はありません。

一般社団法人は利益をあげてもいいんですか?

利益をあげても問題ありません。非営利法人であっても利益がなければ、事業を継続することができません。ただし、利益が出た場合でも、一般社団法人の構成員である「社員」に分配はできませんので、注意してください。

一般社団法人は報酬や給与を払うことはできますか?

通常の会社経営と同様、報酬や給与を支払うことはできます。役員(理事や監事)に対しては、役員報酬を支払います。従業員には給与を支払います。役員報酬と給与の違いは、役員報酬は理事や監事など法人の役員に対して支払われる報酬で、給与は従業員が労働の対価として受け取るものです。

一般社団法人・一般財団法人の法人税法上の取扱いはどのようになっていますか?

一般社団法人や一般財団法人の法人税法上の取扱いは、公益認定を受けているかどうかで異なります。公益認定を受けた法人は公益法人等として取り扱われ、収益事業から生じた所得が課税対象となります。公益目的事業から生じた所得は課税対象外です。

公益認定を受けていない場合、どうなりますか?

公益認定を受けていない場合、非営利型法人の要件を満たすものは公益法人等として収益事業から生じた所得が課税対象となります。非営利型法人以外の法人は普通法人として扱われ、全ての所得が課税対象です。

一般社団法人で介護事業を行うと非課税ですか?

一般社団法人が介護保険法に基づく訪問介護事業等を行う場合、収益事業に該当しますので、原則として法人税の課税対象になります。非営利型の一般社団法人でも同様です。

一般社団法人で障害福祉事業を行うと非課税ですか?

一般社団法人が障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業等を行う場合、収益事業に該当しますので、原則として法人税の課税対象になります。非営利型の一般社団法人でも同様です。

一般社団法人でも税金はかかりますか?

一般社団法人にも税金はかかります。法人にかかる税金として、法人税、法人事業税、法人住民税、消費税があります。ただし、非営利型の場合は、収益事業から生じた所得にのみ法人税が課税されます。

一般社団法人は確定申告が必要ですか?

一般社団法人も原則確定申告が必要ですが、非営利型で収益事業を行っていない法人は確定申告の必要はありません。非営利型でも収益事業を行っているのであれば、収益事業の部分についての確定申告を行います。事業年度終了(決算後)2ヶ月以内または税務署へ延長申請している場合は3ヶ月以内に確定申告書を提出する必要があります。

一般社団法人は決算公告が必要ですか?

一般社団法人では決算公告が必要です。決算終了後、決算内容を公告する義務がありますので、定款に定めた公告方法に従って、公告を行いましょう。

一般社団法人が寄付を受けた場合、税金はかかりますか?

非営利型であれば原則寄付金に法人税は課税されませんが、非営利型以外であればすべての所得に対して課税されますので、寄付金も課税対象となります。

一般社団法人へ寄付した場合、寄付者に税金の控除はありますか?

個人が一般社団法人へ寄付をした場合、寄付先の一般社団法人が非営利型、普通型を問わず、寄付金控除はありません。会社等の法人が一般社団法人へ寄附をした場合は、寄付をした会社の損金算入限度額の範囲内で寄付額を損金に算入できます。

一般社団法人で銀行口座は開設できますか?

一般社団法人でも法人名義の銀行口座の開設ができます。実店舗がある銀行では、主たる事務所がある最寄りの銀行の本店や支店に申込みをするのが原則です。ネット銀行であればオンライン上で申し込みができるので近年では利用する法人が多くなっています。審査には概ね2週間から1ヶ月ほど要しますので、事前にどのような書類が必要か確認しておきましょう。

事業年度はどのように決めますか?

一般社団法人の事業年度は、自由に設定することができます。「4月1日から翌年の3月31日まで」、「1月1日から12月31日まで」とする法人が多いのですが、設立時に作成する定款において事業年度を定めますので、1年以内の任意の時期を設定しましょう。

一般社団法人の会費は非課税ですか?

非営利型の場合は、会費は原則法人税の課税対象外とされていますが、会費が「収益事業に該当する所得」の場合は課税対象になります。収益事業に該当するかどうかは、専門家である税理士さんや税務署の判断を受けると良いでしょう。非営利型ではない普通型(営利型)の場合は、会費も課税対象となります。

収益事業というのは、どのような事業ですか?

物品販売業、製造業、運送業、請負業など継続して事業場を設けて営まれるものであり、大半の商行為(営業行為)は収益事業に該当します。営利目的である株式会社ではすべての事業は収益事業になります。法人税法上は34の事業が収益事業として列挙されていますので、非営利型の一般社団法人であってもこの収益事業に該当する事業を行えば、法人税の課税対象となるということです。

一般社団法人で助成金や補助金は受けられますか?

助成金・補助金は国や地方自治体等から支給されるお金です。助成金は受給要件を満たしていることが必要であり、補助金の場合は申請後に採用されなければなりませんので、誰でも支給されるわけではありません。一般社団法人でもそれぞれの応募要項に該当すれば助成金や補助金を申請することはできますので、まずは要件に該当するかどうか確認を行ってください(一般社団法人を対象としない補助金もあります)。

一般社団法人でも融資を受けることはできますか?

一般社団法人は利益を上げることを最大の目的としていません。そのため、一般社団法人に対して融資を実行してくれる公的機関や金融機関は多くありません。日本政策金融公庫からの借り入れも「新創業融資」等に限定されるなど、会社が融資を受けるよりも厳しいのが現状です。とはいっても、融資を受けられないということではありませんので、一度金融機関や融資の専門家へ相談されると良いでしょう。

一般社団法人と非営利型法人Q&A

非営利型法人の要件は何ですか?

非営利型法人は、剰余金の分配を行わないこと、解散時に残余財産を公益的な団体に贈与することなどが定款に定められていることが必要です。また、理事の親族等が理事総数の3分の1以下であることも条件です。

非営利型でも収益事業を行っていいですか?

非営利型でも収益事業を行うことはできます。この場合、収益事業から生じた所得には法人税が課税されます。ただし、非営利型でも「共益的活動を目的とする法人」の場合には、その要件として「主たる事業として収益事業を行っていないこと」がありますので、事業の中に占める収益事業の割合については注意しておく必要があります。

公益目的事業とは何ですか?

公益目的事業は学術、技芸、慈善その他の公益に関する事業で、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものです。

収益事業の範囲はどう定められていますか?

収益事業は34の事業(例:物品販売業、不動産貸付業、製造業など)で、継続して事業場を設けて行われるものが該当します。

共益目的の一般社団法人とは?

非営利型には「非営利型が徹底された法人」と「共益的活動を目的とする法人」の2つあります。後者の共益目的の一般社団法人は、会員間の親睦や交流を目的とした法人で、会員に共通する利益を図る活動を行うこと、会費の徴収を行うこと、主たる事業が収益事業ではないことなどが要件になります。イメージしやすいのは「同窓会」や「町内会」です。このような団体を法人化する際に、共益目的の一般社団法人が活用されています。

普通型で設立しましたが、非営利型へ変更できますか?

設立当初は普通型で設立して、将来的に非営利型へ移行することは可能です。ただし、非営利型の要件を満たす定款に変更したり、人的要件を満たすように理事を登記する必要があるなど、現状により対応が異なりますので、専門家へ相談すると良いでしょう。

営利型の一般社団法人とは?

一般社団法人では法人税法上の区分により、「非営利型法人」と「非営利型以外の法人」の2つに分けられています。「非営利型法人」を「非営利型」と呼ぶのに対して、「非営利型法人以外の法人」は「普通型」や「営利型」と呼ばれています。実際「営利型」の一般社団法人があるわけではありませんので、注意してください。

非営利型の親族要件を教えてください。

非営利型の要件の中に「理事とその親族等の関係にある理事の合計数は、理事の総数に占める割合の3分の1を超えてはいけない」という親族要件があります。これは「理事は常に3名以上置く必要があり、3名ジャストであれば3名全員が親族等以外であること」が必要ということです。「3分の1を超えてはいけない」ですので、理事が5名であれば5名の中に親族を置くことはできません。理事が6名であれば、その内2名だけ親族を置くことができます。

非営利型の親族の範囲を教えてください。

親族等に該当するのは、理事の配偶者・3親等以内の親族・内縁関係にある者等が該当します。また、親族以外であっても「理事と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるもの」、「理事の使用人」、「理事から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの」等も含まれます。

登記簿謄本に非営利型と記載されますか?

非営利型の要件を満たす場合でも、一般社団法人の名称に「非営利型」と記載されることはありません。非営利型というのは、あくまで法人税法上の区分に過ぎないため、登記簿謄本からは非営利型かどうかは判別できません。

一般社団法人と基金Q&A

一般社団法人の基金とは何ですか?

基金は一般社団法人の活動資金となる拠出金で、返還義務がありますが使途は問われません。

定款に基金条項がない場合、どうすればいいですか?

社員総会の特別決議を経て、定款に基金条項を追加する必要があります。

基金の募集金額に制限はありますか?

基金の募集金額には制限がなく、現金以外にも不動産や動産の拠出が認められています。

基金募集の手続きはどのように行いますか?

基金の募集事項を決定し、拠出者と契約を交わし、払込みを受けます。

基金は返還しなければなりませんか?

一定の条件下で返還義務がありますが、無条件に返還しなければならないものではありません。

基金の返還時期はどう決めますか?

定款の規定に従い、定時社員総会後の期間に返還します。

基金を募集した場合、法務局への手続きは必要ですか?

基金の額は登記されないため、法務局への手続きは不要です。

その他のQ&A

一般社団法人の名前(名称)を変更したい場合、どうすればいいですか?

一般社団法人の名称は定款において定められていますので、変更したい場合は定款変更が必要になります。まずは社員総会を開催して、名称を変更することの定款変更決議を行い、社員から承認を得ます。その後、法務局へ議事録や申請書等を作成して、変更登記申請を行います。

大規模一般社団法人とはどのような法人ですか?

大規模一般社団法人とは、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した合計額が200億円以上の法人をいいます。大規模一般社団法人では社員総会・理事のほか、監事及び会計監査人を置くことが義務付けられています。

一般社団法人の公告方法は?

一般社団法人の公告方法は、①官報に掲載する方法、②日刊新聞紙に掲載する方法、③電子公告する方法、④主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法のいずれかを選択できます。④主たる事務所の公衆の見やすい場所とは、法人の主たる事務所の掲示板に掲示する等、容易に閲覧できる状態になっていることが必要です。

設立後の一般社団法人の運営にはどのような義務がありますか?

運営には、定期的な総会の開催、役員の選任と登記、会計帳簿の作成と保存などの義務があります。法律に従って透明性のある運営が求められます。

法人実印(代表印)を紛失しました。どのような手続きが必要ですか?

法人実印(代表印)を紛失してしまった場合は、新しい印鑑を作成して、法務局へ登録し直さないといけません。これを『改印届』と言います。すぐに新しい印鑑を準備できない場合は、先に法務局で印鑑廃止の手続きを行うほうが良いでしょう。

法人印鑑カードを紛失しました。どのような手続きが必要ですか?

一般社団法人の印鑑カードを紛失した場合は、法務局で再発行の手続きを行えば、新しい印鑑カードが交付されます。代表理事が法人実印と身分証明書(運転免許証等)を持参すると再発行手続きが行えます。

一般社団法人でも決算公告は必要ですか?罰則はあります?

一般社団法人でも決算公告は義務ですので、毎年決算終了後に開催される定時社員総会が終了した後に、法人が定款で定めた方法で公告を行う必要があります。公告を怠った場合には、100万円以下の過料の対象となります。過料の可能性が全くないとは言えませんので、規定に従って決算公告を行うようにしましょう。

一般社団法人の登記簿謄本は誰でも取得できますか?

一般社団法人に限らず法人の登記簿謄本(登記事項証明書)は、法務局において誰でも取得することができます。取得できる人は、代表者である必要はなく、法人に関係のない第三者でも所定の手数料を支払えば取得することができます。

一般社団法人の印鑑証明書は誰でも取得できますか?

一般社団法人の印鑑証明書を取得するには、法務局が法人に対して交付している印鑑カードが必要になりますので、原則は代表者が請求することになります。従って、誰でも取得することはできませんが、代表者から委任を受けた代理人であれば取得できます。委任状は必要ありませんが、法務局へ交付申請書と合わせて印鑑カードの提出が必要です。

一般社団法人を解散することはできますか?

自主的な意思に基づき一般社団法人を解散するには、「社員総会の特別決議」により解散することができます。特別決議とは、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上の賛成が必要になります。法務局への解散登記手続き以外にも、税務署等への申告・届出が必要になりますので、事前に顧問税理士さんへ相談すると良いでしょう。

一般社団法人が解散したら残余財産は国等へ寄付しなければならないのですか?

定款において残余財産の帰属先を定めていれば、それに従います。非営利型(非営利性が徹底された法人)では、定款において国や地方公共団体、公益団体等へ寄付すると定められていますので、その方法により寄付します。定款に残余財産の定めがないときは、社員総会の決議により定めます。それでも決まらないときは、国庫に帰属します。

みなし解散とは何ですか?

一般社団法人の理事の任期は最長2年ですので、最低でも2年に1度の任期満了時に法務局へ登記手続きを行わなければなりません。しかしながら、最後に登記をした日から5年の間、登記手続きを一切行っていない場合は、実際に活動をしているか分かりませんので、所定の期間内に「事業を廃止していない旨の届出」をしないと、その一般社団法人は解散したものとみなされます。これを「みなし解散」と言います。

みなし解散されると理事はどうなりますか?

みなし解散されると理事は自動的に退任になります。登記簿謄本の理事の氏名には下線が引かれ、職権で抹消されます。みなし解散された一般社団法人では、原則解散時の理事が「清算人」となり、その後の手続きを行わなければなりません。

みなし解散されました。どうすればいいですか?

みなし解散がされていたとしても、法人が消滅したり、法人を畳まなければならないわけではありません。活動を継続したいのであれば、みなし解散された時から3年以内に限って社員総会の決議で法人を継続させることができます。もし法人を消滅させたいのであれば、清算手続きを行って清算結了の登記をすることになります。

みなし解散のまま放置するとどうなりますか?

みなし解散がされたあと、継続手続きも清算手続きも行わずに放置すると、10年経過後に登記簿が閉鎖されます。一見すると、法人がなくなったように見えますが、法人格そのものが消滅するわけではありません。登記簿が閉鎖されるだけであり、清算結了しない限り法人格は継続します。

みなし解散されると過料が発生するのでしょうか?

みなし解散されたから過料が発生するわけではなく、役員変更等の登記を怠っていることに対して過料が発生します。これを「登記懈怠」と言います。役員変更の登記手続きを行わなければ、登記するまでの間は継続して過料の対象になりますので、速やかに手続きを行うようにしましょう。

登記懈怠の過料はいくらでしょうか?

過料の額は100万円以下としか定められておらず、基準が公表されていません。非営利法人であることから、株式会社等の営利法人よりも過料は少ないと言われていますが、ケースバイケースです。代表理事個人宛に裁判所から通知が来ますので、代表理事個人で納付します(法人の経費とはなりません)。

一般社団法人を休業することはできますか?

一般社団法人を休業(事業を一切停止させること)は可能です。法人そのものは存続したいけれど、何らかの理由により一旦休業したい場合は、税務署、都道府県税事務所、市区町村役場へ休業届(異動届出書)を提出しましょう。休業中であっても、確定申告と役員変更登記は行わなければなりませんので、注意してください。