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36協定とは?法定の労働時間を超えて従業員に働いてもらうにはどんな手続きが必要?社会保険労務士がわかりやすく解説

2022 11/25
労働基準法
2022年11月25日
労働基準法
目次

36協定とは?

労働基準法では、労働者が働ける時間に上限を設けています。

労働基準法第32条に労働時間に関する定めがあります。

見てみましょう。

(労働時間)
第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
② 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

労働基準法

1週と1日それぞれについて、労働時間に対する規制が設けられています。

使用者は、1週間について、40時間を超えて労働者を働かせてはなりません。

また、1日については、8時間を超えて働かせることはできません。※この40時間・8時間には休憩時間は含みません。

これらのほか、労働基準法上の休日についても、労働者を働かせることは原則できません。

(休日)
第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

労働基準法

1週間に1日の休みも与えずに働かせることはできません。※ただし、4週間を通じで4日以上の休日を与える場合はこの限りではありません。

労働者に1週40時間・1日8時間を超えて働いてもらったり、法定の休日に働いてもらったりする場合には、一定の手続きを経なければなりません。

36協定という言葉を聞いたことがあるという方も多いと思います。

時間外・休日労働を行うには、労使間で36協定というものを締結し、管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

この36協定の手続きを経ていない時間外・休日労働は違法です。※変形労働時間制などもありますが、ここでは説明は割愛します。

36協定の36という数字については、労働基準法の条文の数字です。

労働基準法の第36条に労使間の協定に関する規定があるので、36協定と呼ばれています。

では、労働基準法第36条にはどのような規定があるのでしょうか。かなり長い条文になりますが、大事なところを黒字にしています。

(時間外及び休日の労働)
第36条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
② 前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲
二 対象期間(この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、1年間に限るものとする。第4号及び第6項第3号において同じ。)
三 労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合
四 対象期間における1日、1箇月及び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
五 労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
③ 前項第4号の労働時間を延長して労働させることができる時間は、当該事業場の業務量、時間外労働の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内において、限度時間を超えない時間に限る。
④ 前項の限度時間は、1箇月について45時間及び1年について360時間(第32条の4第1項第2号の対象期間として3箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、1箇月について42時間及び1年について320時間)とする。
⑤ 第1項の協定においては、第2項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第3項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、1箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間(第2項第4号に関して協定した時間を含め100時間未満の範囲内に限る。)並びに1年について労働時間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め720時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる。この場合において、第1項の協定に、併せて第2項第2号の対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が1箇月について45時間(第32条の4第1項第2号の対象期間として3箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、1箇月について42時間)を超えることができる月数(1年について6箇月以内に限る。)を定めなければならない。
⑥ 使用者は、第1項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。
一 坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、1日について労働時間を延長して労働させた時間2時間を超えないこと。
二 1箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間 100時間未満であること。
三 対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の1箇月、2箇月、3箇月、4箇月及び5箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の1箇月当たりの平均時間 80時間を超えないこと。
⑦ 厚生労働大臣は、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して指針を定めることができる。
⑧ 第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長及び休日の労働を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の指針に適合したものとなるようにしなければならない。
⑨ 行政官庁は、第7項の指針に関し、第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
⑩ 前項の助言及び指導を行うに当たつては、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない。
⑪ 第3項から第5項まで及び第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定は、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない。

労働基準法

重要部分を解説していきます。

労使協定を結ばなければならない

36協定は、以下のいずれかのものと書面による協定を結ばなければなりません。

  • 労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合
  • 労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者

この要件を満たしていない36協定は無効とされています。労働組合がある中小企業は少ないと思いますので、多くの場合は、後者と協定を結ぶことになると思います。

過半数を代表する者については、正社員・アルバイト・パートタイマー等誰でもなることができます。が、労働基準法上の「管理監督者」はなることができません。

なお、この過半数を代表する者については、事業所ごとに選出する必要があります。

例えば、飲食店を複数店舗経営している場合、各店舗ごとに過半数代表者を選出しなければなりません。

時間外・休日労働をさせる時間、労働者の範囲などを決めなければならない

1日、1ヶ月、1年の期間それぞれにおいて、時間外・休日労働を行わせる時間を定めなければなりません。

なお、時間外労働の上限は、1か月45時間、1年360時間等とされています。これを「限度時間」と言いますが、特別条項を締結すれば、年間6か月まで、限度時間を超えて労働させることができます。

また、時間外・休日労働を行う労働者の範囲も定めます。

労働基準監督署に届出なければならない

36協定は、管轄の労働基準監督署に届出てはじめて効力を生じます。

協定を結んだけで時間外労働等をさせることはできません。労働基準監督署に届け出る前にさせた時間外労働等は無効、違法です。

事業所ごとに届け出なければならない

36協定は、事業所単位で届け出る必要があります。

一つの会社で別々に工場や支店、店舗などがある場合は、工場・支店・店舗等ごとに36協定を締結し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署に届け出る必要があります。

例えば、A株式会社に、B工場、C支店、D店舗がある場合、A株式会社として36協定を届け出ればOKということでなく、B、C、Dそれぞれで36協定を締結し、届け出なければなりません。

当然ですが、36協定の締結当事者である過半数労働者についても、それぞれ選出を行うことになります。

労働基準法
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