地域活動支援センターとは?障害者総合支援法に規定される地域活動支援センターについてわかりやすく解説

障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に規定されている「地域活動支援センター」とは、どのような施設で、どのような事業が行われているのでしょうか。

当記事で解説していきます。

地域活動支援センターとは

障害者総合支援法に、地域活動支援センターの用語の定義が載っていますので、まずはこちらから見てみましょう。

地域活動支援センターとは(障害者総合支援法第5条第25項)

この法律において「地域活動支援センター」とは、障害者等を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する施設をいう。

地域の障害者等のための施設ということが分かりますね。

このままだとまだぼんやりしすぎているので、上記の用語定義を、さらに分解してみましょう。

地域活動支援センターとは、

障害者の方々に対して

  • 創作的活動
  • 生産活動

上記の活動を行うための機会を提供し、

  • 社会との交流の促進
  • 厚生労働省令で定める便宜

を供与するために通ってもらう施設

となります。

障害者総合支援法に基づく地域活動支援センターの設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)

次に、「障害者総合支援法に基づく地域活動支援センターの設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)」というなんとも長い名称の省令に規定されている「基本方針」についても見てみましょう。

基本方針には、地域活動支援センターがどのような基準、方針で運営されるべきかが定められています。

(基本方針)第二条
  1. 地域活動支援センターは、利用者(地域活動支援センターを利用する障害者及び障害児をいう。以下同じ。)が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、利用者を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供及び社会との交流の促進を図るとともに、日常生活に必要な便宜の供与を適切かつ効果的に行うものでなければならない。
  2. 地域活動支援センターは、利用者又は障害児の保護者(以下、「利用者等」という。)の意思及び人格を尊重して、常に当該利用者等の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
  3. 地域活動支援センターは、地域及び家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、障害福祉サービス事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者等との連携に努めなければならない。
  4. 地域活動支援センターは、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講ずるよう努めなければならない。

地域活動支援センターの運営に関しては、地域活動支援センターを利用する障害者や障害児とその保護者、ご家族等の意思や人格を尊重し、施設の利用者の立場に立ってサービスの提供をするように努力しなければならないと規定されています。

障害者の方やそのご家族の立場に立って、適切なサービスを提供するよう、地域活動支援センターには努力義務が課せられています。

なお、下記の記事でも紹介しましたが、地域活動支援センターの運営は、市区町村が提供する地域生活支援事業の必須事業(必ず行わなければならない事業)として規定されています。

制度上、地域の実情に応じ、市町村が創意工夫により柔軟な運用、事業を行うことが可能となっています。

それでは次に、地域活動支援センターでは、具体的にどのような事業が行われているのかを見てみましょう。

地域活動支援センターは「基礎的事業」と「機能強化事業」の2つの事業を行っています。

基礎的事業とは

基礎的事業は、利用者に対して、創作的活動や生産活動の機会の提供など地域の実情に合わせて提供する基礎的な事業を言います。

機能強化事業とは

機能強化事業はさらに3つに分かれています。

Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3つです。

地域活動支援センターⅠ型

医療・福祉及び地域の社会基盤との連携強化のための調整、地域住民ボランティア育成、障害に対する理解促進を図るための普及啓発等の事業。

事業の実施にあたっては、専門職員(精神保健福祉士等)の配置が必要です。また、相談支援事業を併せて実施又は委託を受けていることが要件とされています。

1日当たりの実利用人員が概ね20名以上とされています。

地域活動支援センターⅡ型

地域において雇用・就労が困難な在宅障害者に対する機能訓練・社会適応訓練のほか、入浴等のサービスを行う事業。

1日当たりの実利用人員が概ね15名以上とされています。

地域活動支援センターⅢ型

地域の障害者のための援護対策として、地域の障害者団体等が実施する通所による援護事業の実績を概ね5年以上有し、安定的な運営が図られている事業所が行う事業。自立支援給付に基づく事業所に併設して実施することも可能。

1日当たりの実利用人員が概ね10名以上とされています。

利用できる人

障害支援区分の認定などは必要でなく、地域で暮らすすべての障害者やその家族、知人などが利用の対象となっています。

利用者の幅は、その他の障害福祉サービスに比べて広くなっています。

まとめ

現在では、グーグル・マップ等で「地域活動支援センター」と検索をかければ最寄りの地域活動支援センターがヒットしますし、WAMネットでも検索が可能です。

全国各地の地域活動支援センターの個々のHPを確認すると、具体的にどんなサービスを受けられるのかが分かるかと思いますので、ぜひ、参考にして検索してみてください。

参考

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行政書士津田拓也プロフィール

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