管理者

当記事では、訪問介護事業所の指定を取るために必要な人員である「管理者」について解説いたします。

訪問介護事業所における「管理者」とは?

訪問介護事業をはじめるには、行政庁から指定を受けなければなりません。

誰でもすぐにはじめられるわけではなく、法人等を設立し、人員・設備などの要件を満たしてはじめて指定を受けることができます。

この指定の要件には様々あるのですが、人員要件のうちの一つである「管理者」については、どのように定められているのでしょうか。

見てみましょう。

今回は東京都の条例で確認していきます。

事業所ごとに1名を置く

(管理者)
第6条 指定訪問介護事業者は、各指定訪問介護事業所において指定訪問介護事業所を管理する者(以下この条及び第八条において「管理者」という。)を置かなければならない。

管理者は、事業所ごとに必要になります。例えば、A株式会社が運営する訪問介護事業所で事業所が2つある場合、それぞれに管理者を1名ずつ置かなければなりません。

なお、管理者は、訪問介護員等である必要はありません。

訪問介護事業所を管理できる者であれば誰でもOKです。

専従・常勤でなければならない

2 管理者は、専ら当該指定訪問介護事業所の管理に係る職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該指定訪問介護事業所の管理上支障がない場合は、当該指定訪問介護事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる。

また、管理者は、もっぱら管理に係る職務に従事しなければならず、常勤でなければなりません。

「専従・常勤」などと言うこともあります。原則として、管理者以外の業務はしてはならないとされています。

専従の例外とは?

ただし、当該指定訪問介護事業所の管理上支障がない場合には、以下の職務等には従事することが可能です。

  • 当該指定訪問介護事業所の他の職務
  • 同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務

具体的にどのような職務であれば従事できるかは、必要に応じて管轄の行政庁に確認をされると良いでしょう。

東京都では、要領で具体的に次のとおり示されています。

1.当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等としての職務に従事する場合

管理者が訪問介護員の職務に従事するのはOkです。

2.同一敷地内にある等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合

この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問われませんが、例えば、以下の場合は、管理業務に支障があると考えられています。

  • 管理すべき事業所数が過剰であると個別に判断される場合
  • 併設される入所施設において入所者に対しサービス提供を行う看護・介護職員と兼務する場合etc

ただし、施設における勤務時間が極めて限られている職員である場合等、個別に判断の上、例外的に認めることができるとされています。

以上が、東京都における訪問介護事業所の管理者の諸要件となります。