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生活衛生貸付・生活衛生改善貸付とは?賢く活用するためのポイント

2020 11/19
日本政策金融公庫
2020年11月19日

飲食店や理美容業などで開業しようとする場合、一番の悩みとなるのが「資金」です。先立つものが無ければ何も始められません。

しかし、開業資金を全額自己資金で賄うのは難しい。かといって、起業段階では銀行からの融資を受けるのも簡単ではありません。

そこで強い味方になるのが日本政策金融公庫や信用保証協会です。

参考
  • 日本政策金融公庫とは?銀行とは何が違う?取引きの始め方など認定支援機関がわかりやすく解説
  • 2大公的融資の一つである制度融資(信用保証協会付融資)の使い方

今回は、その中でも、飲食業や理容業・美容業などで活用することができる日本政策金融公庫の「生活衛生貸付」や「生活衛生改善貸付」について説明します。

目次

生活衛生貸付(一般貸付)とは?

生活衛生貸付(一般貸付)とは、日本政策金融公庫の国民生活事業が行っているもので、生活衛生関係の事業者に対して店舗改装資金などの融資をしてくれるものです。

生活衛生関係の事業とは、

  • 飲食店
  • 喫茶店
  • 食肉販売業
  • 食鳥肉販売業
  • 氷雪販売業
  • 理容業
  • 美容業
  • その他公衆浴場業
  • 一般公衆浴場業
  • 旅館業
  • 興行場営業、サウナ営業
  • クリーニング業

など、生活に密着したタイプの事業を言います。

これらの事業を開始するには、店舗を借りる為の費用や内装工事、設備工事費用など、様々な初期費用が必要になります。

初期費用をすべて自己資金で賄うとなると、独立開業や事業拡大のハードルはとても高くなってしまいます。

この部分をサポートしようと言うのが日本政策金融公庫の生活衛生貸付(一般貸付)となります。

利用のメリット

生活衛生貸付(一般貸付)では、資金の使いみちが「設備資金」のみとなっています。

設備資金には、店舗取得・機械購入・入居保証金などが含まれます。

融資限度額は多くの事業で7,200万円まで(旅館業では4億円など)となっており、起業・開業にあたって多額の設備投資が必要な場合には有り難い制度です。

また、起業間もない事業者や小規模事業者でも比較的借りやすいように、低金利に設定されています。

返済期間も13年以内(1年以内、返済期間が7年超の場合2年以内の据え置きが可)と長めに設定されています。

なお、金利については、[基準利率][特別利率A][特別利率B][特別利率C]等が設けられており、それぞれの要件に自分の事業が合致する場合に適用されます。

この辺りについては制度も複雑になっておりますので、日本政策金融公庫の担当者に、自分はどの利率に該当するかを単刀直入に聞いておかれることをお勧めします。

飲食店営業で借入する場合のポイント

飲食店

飲食店営業で開業する場合、何に注意をすれば良いでしょうか。

開業にあたっての初期投資額と返済計画、そしてそれを支える事業計画です。

一般的に、個人で小規模な飲食店を開業するケースで約1,000万円程度の資金が必要と言われています。

もちろん、どのような規模でどんな場所に店舗を構えようとしているか、すでに飲食店として使われていた「居抜物件」を借りるのかどうか、フランチャイズシステムを利用するのかどうかなどによって、この金額は変わってきます。

内装工事なども必要となる場合は、当然、その費用も見積もっておかなければなりません。

大体の目安として、1坪当たり20~50万円くらいはかかると考えておいた方がいいでしょう。

事業計画書に記載する数字は細かすぎるくらいがちょうどいい?

生活衛生貸付(一般貸付)を利用する場合、融資限度額は7,200万円までとなっていますから、開業にあたっての設備資金を融資してもらうには十分すぎるほどの金額となっています。

ですが、この7,200万円という数字は、はあくまでも上限額です。この金額なら簡単に借りられるということではありません。

当然、借入希望額が高くなれば高くなるほど、その難易度も上がります。

事業計画を立てるときには、「大体、これくらいの売上が立つだろう」というような皮算用ではいけません。

飲食店の売上予想額の求め方

例えば、飲食店であれば、売上については、次のような計算式に細かく分けて予測を立てると良いでしょう。

売上=客単価×席数×1日あたり回転数×営業日数

さらに、平日と休日、ランチタイムとディナータイムでは客単価や回転数が大きく変わります。

最低限、これらの点まで考慮して、細かな売上予測を立てましょう。

飲食店の利益予想額の求め方

売上予想額から、食材の仕入代、人件費、水道光熱費、家賃等を差し引いて利益を求めます。

その利益で、税金を支払い、自分の生活費(個人事業の場合)と、借入の返済を確保できるような精緻な事業計画を立てるようにしましょう。

参考
  • 飲食店開業予定者必見!開業資金を賢く借りるためのポイントとは?

自己資金はどのくらいあれば良い?

最後に注意しておくべきことは、自己資金の割合です。

自己資金については、下記ページで詳細説明しておりますので、ご参考ください。

参考
  • 結局、創業融資を受けるのに自己資金っていくら必要なの?~日本政策金融公庫と制度融資編~

理美容営業で借入する場合のポイント

美容院

理美容営業で開業する場合も、前述の飲食店と同じように考えなければなりません

※重複する部分は省いているため、理美容営業をお考えの方も、前述の「飲食店営業で借入する場合のポイント」もお読みください。

こちらの場合も、開業にあたっての資金は約1,000万円程度必要になると言われています。

もちろん、駅前ではない場所で2席程度の店舗であれば200~500万円程度で開業することも可能です。最近では、1席のみのプライベート美容室も出てきていますね。

事業計画を立てるときには、次のような計算式を用いて、売上をできるだけ細かく分けて予測しましょう。

売上=メニューごとの料金×1日あたりの客数×営業日数

サービスメニューについては、カット・カラー・パーマ・ヘッドスパ・ヘアメイクなどそれぞれに分けて売上を計算すると計画を立てやすくなります。

その他、シャンプーやトリートメントなどの美容商品やワックスなどの整髪料も販売する場合は、上記の算式に加えましょう。

売上から水道光熱費や人件費(アシスタントを雇う場合)、家賃等を差し引いて、予想利益を弾き出し、税金を支払い、自分の生活費(個人事業の場合)と、借入の返済を確保できるような精緻な事業計画を立てるようにしましょう。

なお、面貸しする場合は、その分の収入がいくらくらいになって、水道光熱費がどの程度増えるか等についても検討し、事業計画に盛り込んでおきましょう。

生活衛生営業指導センターとは?

生活衛生貸付(一般貸付)を利用するためには、生活衛生営業指導センターについても知っておかなければなりません。

生活衛生営業指導センターは、生活衛生関係の18業種(飲食業・理美容業・旅館業など)に対して衛生営業指導を行っている団体です。

生活衛生業を営む業者に対して、さまざまな指導や経営アドバイスなどを行っています。

生活衛生貸付(一般貸付)の申請時の必要書類の中に「衛生管理状況を確認するもの」というものががあります。

この確認は、各都道府県の生活衛生主管部(局)又は生活衛生営業指導センターが行います。

推せん書とは?

更に、生活衛生貸付(一般貸付)の申請時の必要書類の中に「推せん書」があります。

これは「誰かに推薦してもらう」というものではなく、「都道府県知事からの推薦を受ける」ためのものです。

借入申込金額が500万円を超える場合に必要となります。

推せん書を交付してもらうためには、各都道府県の生活衛生主管部(局)に申請する必要があります。

ただ、その業務が生活衛生営業指導センターに委託されている場合には、同センターに申請しなければなりません。

なお、推せん書を交付してもらうためには、申請に必要な書類が複数あります。

  1. 推せん書交付願
  2. 借入申込書
  3. 衛生管理状況を確認するもの
  4. 契約書・見積書・平面図など
  5. 履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)

これらすべて必要になります。

①と②は日本政策金融公庫の各支店でもらうことができますが、その他のは自分で準備しなければならないので、早めに用意しておくようにしましょう。

推せん書が必要でない金額で融資を受ける場合には、この手続きは必要ありません。

上記5つのうち①推せん書交付願以外の書類は、日本政策金融公庫への融資申込みの際にも必要です。

生活衛生改善貸付とは?

ここまで説明してきた生活衛生貸付(一般貸付)は、前述の通り、用途が「設備資金」に限られていましたね。

つまりは運転資金が必要になった場合に活用できないということになります。

そこで、運転資金も合わせて借りたい場合の制度もちゃんと用意されています。

「生活衛生改善貸付」です。

個人が運営する小規模店舗は、ちょっとした景気や事業環境の変化で大きなダメージを受けてしまう傾向にあります。

近隣に有名チェーン店が進出してきたことが理由で、一時的に業績が悪化して、資金繰りに苦労する羽目になってしまうこともあり得ます。

そのような場合に店舗のリニューアルを行ったり、一時的な資金繰りのための資金が必要となったりした場合、生活衛生改善貸付の利用が1つの選択肢となります。

生活衛生改善貸付は、後述の生活衛生同業組合の経営指導を受けている場合に利用することができます。

生活衛生同業組合の長の推薦を受けた、常時使用する従業員が5人(旅館業・興行場営業の場合は20人)以下の会社または個人であることが条件で、2,000万円の融資限度額が設定されています。

設備資金だけでなく運転資金としても活用可能で、しかも、無担保・無保証人で借入することができるので、事業がうまくいっていないときの強い味方になってくれるでしょう。

生活衛生同業組合について

前述の生活衛生改善貸付を利用するためには、生活衛生同業組合の経営指導を受けていなければならないのですが、その組合はどのようなものなのでしょうか。

生活衛生同業組合は、生活衛生の業種ごとに各都道府県に1団体ずつ設立されています。

生活衛生関連の事業者が安定した経営を行うために、資金面や事業経営についての情報提供やアドバイス等を行っています。

その他に、団体加入の保険や共済にも加入できるため、店舗運営を総合的にバックアップしてくれる存在だと言えるでしょう。

加入するかどうかは任意ですが、どのようなサポートが受けられるのかは開業前に確認しておくとよいでしょう。

日本政策金融公庫
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